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【閲覧注意】死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『真嘉比道の逆立ち幽霊』


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【閲覧注意】死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『真嘉比道の逆立ち幽霊』

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114:本当にあった怖い名無し:2012/06/30(土) 13:13:14.07 ID:+KaAn4+Y0
寝息
最近、自分の部屋以外の場所で寝ると、必ず

すう・・・。すう・・・。すう・・・。
って感じで部屋のどこかで自分以外の寝息がする。

明かりを点けて寝ていても、やっぱり聞こえる。
音のする方向を見ても何もないので、目に見える何かがいるわけではないのは確か。
スマホで写真や動画をとってみたが、何も映らない。

明かりを消して見ても、ずっと音は続いている。
暗くして、目を凝らしてみると、何か音の方で暗闇が濃くなっている気もするが、よくわからない。
確かめようと思ってずっと見ている内に、逆に目のほうが暗闇に慣れて、その闇が濃いように感じていた場所も、
部屋の中がはっきり見えるようになるに連れて、薄くなって見えなくなってしまう。

そんな感じでもう、ずっとその寝息みたいなものを気にしてた。
最初に気になったのは、去年の9月くらいで、その後ずっと。で、今に至る。

きっとこの1年くらいで、出張が多くて、知らない土地の安ホテルで寝ることが多かったので、
なんか神経やられてんのかなー、みたいに思っていた。

ところが、先日、初めて自宅でその寝息みたいのが聞こえた。
夜遅くに帰って来て、コンビニで買ってきたパスタを台所で食ってた。家族は全員寝静まってる。
そのあと目が、しょぼしょぼするんで目薬して両目閉じたまま、台所の椅子でじっとしてた。

そしたら、
すう・・・。すう・・・。すう・・・。
と例の音。

おお?と思って、目を開けようと思ったけど、目薬がクール系の刺激の強い奴だったんで、中々開けられない。
かろうじて右目だけ開けて、台所の中を見回したけど、案の定、誰がいるわけでもない。


115: 本当にあった怖い名無し:2012/06/30(土) 13:15:07.89 ID:+KaAn4+Y0
今まで出先でしたことはあったけど、自宅では初めてだったので、ちょっと焦りながら、音のする場所を探して見る。
でも、ホテルの一室とかと違って、一戸建ての家の中なので、なんかイマイチどこから聞こえているのか分からない。

一度台所の奥、勝手口の方まで行ってみたけど、どうも違う。台所から出る廊下の方からするような?気がして、
耳を澄ませながら、ゆっくり元来た方、テーブルの側を回って、廊下に抜ける方に出ようとしてみたが、それもなんか方向が違うみたい。
やっぱり台所の中? そう思って再び入り口から台所の中に体を向ける。
すると、その場所からすぐ左手側、冷蔵庫のある足元の辺りから音がするような気がする。

冷蔵庫の低い稼動音に混じって、すう・・・。すう・・・。すう・・・。

ここ?この辺?何となく辺りを付けて、腰を屈めてみると、

すーっ・・・。ふー・・・。すーっ・・・。ふー・・・。すーっ・・・。ふー・・・。


116: 本当にあった怖い名無し:2012/06/30(土) 13:16:14.31 ID:+KaAn4+Y0
音が大きくなったので、ああ、ここだ。と思った。
と、こんな感じでだいたいの場所を突き止めるまでは、以前に起こった時にも成功していたので、
次にやることもいつもどおり決まっていた。

手を伸ばして、部屋の灯りを消す。
と、いつもならここで、辺りをつけた場所の暗がりに、闇の濃い場所が見える。
当然この時も見えた。が、何かいつもと違う?
左目だけちょっとよく見える。

さっきまで目薬で目がしょぼしょぼするので、左目だけ閉じていたのだが、
灯りを消すときに左手を伸ばしたついでに、閉じていた目を開いていた。
そのせいで、左目だけ暗闇に慣れていたようで、同じ暗闇でもそっち側だけクリアに見えるようだった。
ああ、と思って右目を閉じる。と、例の暗がりが少しはっきりした。

暗がりの上の方に、白い点が2つ。人の白目の部分だと分かった。
うっすらとだが、形で、黒目が自分の方を向いているのを意識して、ぎょっとした。
そして、うずくまり、無言で目だけを向けているその様子から、直感的に相手が手足を縛られて、口を塞がれているのを感じた。


117: 本当にあった怖い名無し:2012/06/30(土) 13:26:58.25 ID:+KaAn4+Y0
寝息のようなゆっくりとした呼吸音は、鼻からしか呼吸ができず、
縛られて、身動きの取れない状態にされた人間が、

パニックを起こさないように、意識してゆっくりと鼻呼吸しているからなんだというのが分かった。
時間が経つと、やはり人影はゆっくりかすれて消えていった。

なぜ、その人影が自分のところに現れるのかは未だにわからない。
それが縛られ、口を塞がれた人影だと分かってから、
何日かたっているが、その後自宅であの呼吸音を聞いたことはない。


でも、来週からまた、出張になるので、そうすればまた、あれが出てくるだろうと思ってる。
その時は、今度は灯りをつけたまま両目を閉じてよく目を暗闇に慣らしてから、灯りを消してみようかと思っている。



272: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 11:32:56.02 ID:fVMZyCFk0
>>114
怖かった



213: 本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 08:54:42.20 ID:sh0Bje6a0
おっさんの忠告
洒落にならないほど怖いというか

洒落にならないほど怖くなるかもしれない話
予知夢スレに書こうかと思ったけど、こちらに書く

これは俺が見た夢の話なんだが、あまりにも鮮明すぎて夢かどうかも怪しい

場所はどこかのビルの一室、係の人に案内されて通された部屋には
スーツ姿の男性や制服姿の高校生、エプロン姿のあばさん、作業着姿のおっさんなどがいた。
男女合わせて10数人、年齢も職業もバラバラだった。

みんなキョロキョロして落ち着きが無く
「いったい何が始まるんだ?」という表情。もちろん俺も同じ感想。
机の上には真っ白なA4の紙とボールペンがおかれているだけ。
時計をふとみると時刻は3時。外をみると真っ暗だったため、おそらく深夜の3時だろう。

「あー明日も仕事なんだから、早く帰りたい…」
と今考えると意味不明なことを呟きながら待っているとドアがノックされた。


215: 本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 09:07:00.14 ID:sh0Bje6a0
入ってきたのは小柄なおっさん。
メガネをかけてスーツをビシッと着こなしていたのが印象に残ってる。

「えー、皆さんの睡眠時間を削って申し訳ない。ただ、こちらも時間が無いのです」
「すぐ終わらせるようにしますので、私語厳禁。質問は後でまとめて言ってください」
「これから起きることを言っていきますので、用意された紙にメモしてください」
「それでは、始めます」

と、いきなり喋りはじめた。
突然のことに周りは戸惑っていたが、すぐにおっさんの言う事をメモり始めた。
俺は納得できず、おっさんにイライラして適当にメモしていたら

「そこの君。真剣に聞きなさい」
「自覚を持ってください。あなたがダメなら終わるんですよ(何が?)」
と一喝。ただ、しゃべるスピードが速すぎて全てはメモれなかった。


218: 本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 09:20:21.26 ID:sh0Bje6a0
おっさんがしゃべっている内容は、どうやら世界でこれから起きる出来事らしい。
海面上昇、新たなウィルスで壊滅的被害、戦争で中東壊滅などなど
「あーどっかで聞いたことあるわ。くだらん予言だな」
という感想しかもたなかった。

40分ほどで話は終わり、質問タイムになった。
誰も質問しないようなので、とりあえず自分が好きな高校野球について質問してみた。
「高校野球ではこれから5年以内に東北に優勝旗が来る。」
「決勝は福島と宮城。どっちが勝つかはお楽しみに」

へ~、とニヤニヤして聞いていたら
「君、どうやら今までの話を信じていないようだね。メモはとってるみたいだが…」
「そうだな、これから3日以内に君は死ぬほど苦しい思いをする」
「まぁ死なないから安心してほしい。でも相当苦しいから水でも用意しなさい」

そうニヤッと笑ったおっさん。
「では解散。今日も頑張りましょう」とおっさんが言い終える前に目が覚めた。


221: 本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 09:30:46.55 ID:sh0Bje6a0
ここまでならただの夢の話で、全く気にも留めないんだが
実は昨日の朝方、金曜の夜に食べたものがどうも消化しきれず
酷い胸やけを起こして目が覚めた。

こりゃ吐くかな、と思っていたら嘔吐物がのどに詰まってしまった。
口呼吸も鼻呼吸もできない最悪な状況。俺、大パニックでのたうちまわる。
なんとか打開したが、汗びっしょり。落ち着くために水を飲んでいたら

「なっ!」
という声が部屋の外から聞こえた。その瞬間、全てを理解した。
というわけで、夢で体験した出来事を投稿しようと決意した。


223: 本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 09:46:07.34 ID:sh0Bje6a0
ちなみに、おっさんが喋っていた内容の一部を箇条書きする。
その時は信じてなかったし、数日前のことだから忘れた部分もあるけど

<世界>
・新型のウィルスで世界的被害。東南アジアのひとつの村が全滅。
・海面上昇が深刻化。
・中東で戦争。ヨーロッパにまで拡大。しまいには中国まで巻き込む。
・ヨーロッパ経済が深刻。どうにもならない状況が続く
・原発事故。原発推進国でのこと
・食料問題解決。
・アフリカ発展、今後も伸び続ける模様

<日本>
・地震による津波により関東沿岸は壊滅
・スカイツリーに追突事故
・連動地震により東海近畿も壊滅的被害
・それら多くの人間が東北、北海道、九州へ避難
・高校野球、東北に初の優勝旗。決勝は福島と宮城
・漁禁止。魚は人工のものしかなくなる


これしか覚えてない。時系列はしらないし、いつ起きるとも言ってなかった。
俺が見たのはただの夢であって、実際に起きない事を祈る



263:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:06:47.79 ID:bZSVoQ840
人の業
出勤までの暇つぶしにカキコ。
人の業ってのはあるんだな、と感じた話。

俺の親父の田舎は、60年代初頭まで人食いの風習があったっていう土地だ。
とはいっても、生贄だとか飢饉でとかそういうものではなく、ある種の供養だったらしい。
鳥葬ならぬ人葬かな。それは小さな神社で行われてたとのこと。

そこの神主さんが亡くなった人の脳だとか脊椎だとかを啜り、その人の魂(心?)を受け継ぐんだって。
で、イタコの真似ごとをして、残された家族とかに故人からの言葉を送るっていう寸法。
気味が悪いように聞こえるけど、それほど殺伐としてようなものじゃないみたい。


しかし、先に言ったように、だいたい60年代を過ぎるころになると、流石にそのような風習も廃れてきた。
ちょうどその頃は、その神社の神主を息子さんが受け持つようになっていたし、
法律とかそういう問題もあったから、ちょうど世代交代の時期だったのかもしれん。

だがそれでも村の爺さん婆さん連中は、ご先祖様と同じように逝きたいとこの葬送を希望していた。
そのため、新しい神主さんも嫌々ながらそれを引き受け、数年の間死体の脳を啜ったらしい。
多分これがいけなかった。


264: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:07:27.69 ID:bZSVoQ840
で、ここからが本題。

それから20年ほど経った頃、その神主に突然異変が起こった。
数日高熱にうなされた後、顔がパンパンに膨れ上がり、目玉が半分飛び出した恐ろしい容貌になって、
常に汗水をだらだらと流し続ける体質になったらしいのだ。
ほぼ常に水を飲まずにはいられないほど汗を流し続け、渇きに苦しむ姿はまるで本物の呪いみたいだったらしい。

当然、神主の家族も心配して神主を病院に連れて行ったのだが、原因は分からすに終わり、
結局その半年ほど後に、目と鼻と耳から変な汁を噴き出して狂い死にしたらしい。
そしてこれを解剖して分かったことは、生きたまま脳が腐っていたことだけとのこと。

当時、風習を捨てた神主への呪いだのと囃し立てられたが、特に新聞に載ることはなかったみたい。


そして時は流れ、2000年を少し過ぎた頃。
今度はその神主の子供が似たような症状を発症した。
慌てて病院に駆け込んだが、結局治療法などは当時の医学でも分からなかった。
医者も色々と調べてくれたが、はんとう病とかそういう病気に似てるが、実際はよく分からないとのこと。
ただその原因は断定はできないものの、可能性は推測はできたみたい。


265: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:08:07.28 ID:bZSVoQ840
それは「先祖が人の脳を食っていたこと」によるもの。
同じ人間を食べると、蛋白質が突然変異を起こし、脳がスポンジ状になるプリオン病というものがあるらしい。
その上、一度そういう病が発症すると、それは血筋で受け継がれる可能性があり、
日本にも、代々プリオン病が発症する家系が少数ながらあるとのこと。

大抵は身体機能障害や痴呆で終わるのだが、
中には一生眠れず狂い死にしたり、人肉を食べたくなって仕方なくなる症状もあるみたい。
発汗し続けるってのも負けず劣らず凄いもんだが、
人食のタブーを侵したカルマってのは存在するんだなって、それを聞いた当時は思ったね。

結局その息子も、脱水症状でショック死してしまった。
体は荼毘に付したが、今もどっかの病院に脳みそだけは保管されてると思う。


さて、ここまで読んでなんとなく察した人もいるかもだけど、これ親戚内での話です。
最初に発症したのが伯父で、その息子が従兄。
前半部分は親父からの伝聞で、医者の話はうろ覚えだから、細部は間違ってるかもしれません。

親父も幸い何も発症してないし、一応大丈夫だとは思うけれど、
俺も人食いの血は引いているので、もしかしたら発症するかもとビクビクしながら過ごしてます。
一部の医者は、こんな症状ありえないと言っていたし、ガチで呪いかもしれませんしね。


長文に加えて、読みにくい文章で申し訳ない。
お前ら、カニバリズムは絶対にやめろよ。死んでも知らないからな。



266:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:11:25.49 ID:sIFvSJ950
クールー病じゃね
人間が人間を食べるとなる
潜伏期間が異常に長い
ま、人間の狂牛病だな



267:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:31:10.74 ID:sIFvSJ950
『クロ宗』の鉄の掟
関係ありそうな話をコピペしとくか

名無しさん (2011/04/23(土) 00:15:22 ID:q9NTXmz5bM)
『クロ宗』の鉄の掟

今から400年前、キリスト教徒が江戸幕府によって迫害されていたころの話。
島原の乱に敗れたあと、彼らは幕府からの厳しい弾圧を逃れるべく、
鹿児島県、下甑島(しもこしきじま)に流れ着いた。

離島であるがゆえに、幕府の追及も届かない。
ようやく安住の地を得た彼らはこの島にTという集落をもうけ、

なおもキリスト教を信仰し続けた。

とはいえ世間から孤立することにより、キリスト教本来の教えとは異なる独自の宗教を編み出すに至る。
それが『クロ宗』だった。
クロス(十字架)が語源といわれ、外部との接触を完全に拒んだ秘密結社的な概念。
驚くべきことに、隠れキリシタンの末裔たちによって、今もなお受け継がれているそうだ。


268: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:31:56.91 ID:sIFvSJ950
『クロ宗』の最たる特徴は、死の儀式にある。
信者が生命の危機に瀕した場合、『サカヤ』と呼ばれる司祭のもとに運ばれ、まだ息があるにもかかわらず、
生き血と生き胆を摘出するというのだ。
信じがたい話だが、その取り出したるモノを信者全員で食べ、飲み干すという……。

ある大学の民俗学教授は言う。
「宗教儀式の中には、死者の魂を取り込むため、身体の一部を食するというものは存在します。
ですが、生きているうちから血と肝を抜くというのは稀ではないでしょうか。
サカヤ(司祭)の家から出される遺体は白い布でグルグル巻きにされ、
その布には血が滲んでいるというのですから、恐ろしい儀式ですよね」


269: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 08:32:56.80 ID:sIFvSJ950
とはいうものの、この禁断の儀式は詳細がいまだ明らかにされていない。
『クロ宗』を信仰するT集落の住人は、よそ者を完全に拒み、話しかけても相手にすらされない。
取材にも一切応じない。


家屋は全部で20戸ほどの小集落にすぎない。
しかもそれぞれの家が、3メートル前後ものブロック塀で囲まれており、

異様な雰囲気を醸し出している。
『クロ宗』信者には集落内での出来事を一切口外してはならないという鉄の掟があり、
それを破った者は命を取られるのではないかともウワサされている。

※明治時代まで肝食いをやっていただの、集落に近づけさせないためのデマにすぎないとの諸説がある。
 あまり真に受けないように。



280:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:37:15.63 ID:L3ouhnTQ0
洒落にならない程、ではないと思うけど
個人的にガチで怖かった体験話してもいい?



281:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:40:53.11 ID:EueTz1fFP
どぞ



282:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:45:30.51 ID:L3ouhnTQ0
>>281
さんくす

書き溜めたりはしてないし、仕事中なので若干遅いやも

怒る人形
3年程前の話なんだけど、ちょうど今くらいの時期に付き合ってた彼女との同棲が決まった。

とにかくテンションあがりまくりで、部屋決めたりなんだりしてた。

んでメゾネットに決めて、2tトラック借りて自分らで引っ越しも終わって
新しい生活がスタートしたのね。


283: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:49:33.36 ID:L3ouhnTQ0
んで、うちらには普通のカップルとは違う点がひとつ。
相手は×付きの子持ちだったってこと。
子供は5歳。
まぁやんちゃ盛りの可愛い男の子だったし、自分の子供だと思って接してた。

お母さんと一緒じゃなきゃ眠れなかった子も、一緒にいるうちに
一人で眠れるようになってきて成長に驚いたりしてた、そんなある日。


夜中の2時くらいだったかな…
「怖い、寝れない」
って、隣の部屋で寝てた子供が俺らの寝室にきた。
「なにが怖いの?」
と聞いても
「だって怒ってるもん、怖い」
と繰り返すばかり。


284: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:54:09.35 ID:L3ouhnTQ0
らちがあかないので、横で寝てた彼女を起こして状況説明。
「ママに言ってご覧?」
となだめて、しぶしぶ語りだした子供。
「電気の上の、屋根に乗ってる人形さんが怒ってる」
とこういう訳。

子供の部屋のライトはぶら下げるタイプなので、屋根=ライトの傘なんだと思う。
たが当然、そんなとこに人形なんざ置いていない。

びびりながら二人で確認したけど、やはり人形なんてない。
でも隣で子供は
「怒ってるよおおお」
と号泣する始末。

なにがなんだかわからんし、でもどうすることも出来ないので、その日は3人一緒に、俺らの寝室で寝た。


285: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 15:58:50.91 ID:L3ouhnTQ0
それからというもの、俺と彼女の関係が徐々に崩れ出した。
些細なことで喧嘩になったり…まぁ関係があったのかはわからないけれど。

で、1ヶ月程経った時に聞いてみた。
「まだ人形さんはいるの?」
って。
そしたら

「うん、でも笑ってるから怖くないよ」
だって。

いるのかよ!ってツッコミいれたくもなったけど、なんで怒ってたのが笑ってるのかがわからない。
で、彼女とあれこれ話してたら
「元カレとの子供かもしれない」

「???」
だったのでよくよく話を聞いてみたら
以前、知らないうちに流産していたことがあったらしい。
生理と思ってナプキンで丸めてポイしたんだと。


286: 本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 16:05:38.11 ID:L3ouhnTQ0
ここで仮説を立てた。
流れた子供は幸せを疎ましく思ってるのかもしれない

だから怒ってた

最近仲が悪くなるばかり

だから笑ってる

「水子供養にいこう」
てわけで近場で比較的有名な水子供養の寺に行って、供養してきた。

これできっと!
と思ったけれど、今度は俺にだけ変なことが起こり始めた。

寝てる時に、頭に何か小さいものを投げられた感じがあったり
靴紐が1週間で3回切れたり。
だんだん怖くなってきて、また子供に聞いたんだ。

「ずっと○○くん(俺のことね)の方を見てる、でも笑ってるからもう怖くないよ」

だいぶ関係も悪化してたし、ここにいたら駄目になると思って、別れました。
実家に戻ってからは一切何もない。

ただ、子供にしか見えない+俺が標的にされてそうで本当に怖かった。
余談だが、今でも当時の彼女は男に逃げられたりを繰り返してるそうです。



287:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 16:11:03.24 ID:L3ouhnTQ0
以上!
皆さんに比べたら特段怖い話ではないですが(´・ω・`)



288:
本当にあった怖い名無し:2012/07/02(月) 16:54:59.37 ID:j3yl+pBrO
いやいや、なかなか良いんでないかい?

読みやすいし、少しはヒヤッとしたぜ



478:
本当にあった怖い名無し:2012/07/05(木) 00:00:32.49 ID:MejD+/R40
パンティーマジシャン
学生時代体育の時間ジャージに袖を通したら
洗濯の時に母ちゃんのパンツが入ってたらしく勢い良く飛び出た
それからあだ名はパンティーマジシャンになった



499:
本当にあった怖い名無し:2012/07/05(木) 12:02:33.58 ID:jGhwDwkFO
>>478
こぇぇえええええーーーーー!!



506:
本当にあった怖い名無し:2012/07/05(木) 16:58:38.84 ID:+hcKTACaO
>>478
電車の中で思わず吹いたじゃねーかw

でもこれはリアルに怖い話だw



533:
真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:45:05.20 ID:1+s53sH4i
真嘉比道の逆立ち幽霊
昔、首里城下に嘉平川里之子という男がおりました。

「里之子」とは士族の男子の呼び名です。

しかし嘉平川家は名家ではなく王府の役職にも就いておりませんでしたので、
その暮らしぶりは裕福とは縁遠いものでした。

その上嘉平川里之子は重い胸の病気を患っており寝たり起きたりの生活でした。
生計を支えるため妻のチルーは小さな商いをしておりましたが
その合間にも機(はた)を織り献身的に夫を支えておりました。



534: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:45:57.20 ID:1+s53sH4i
妻のチルーは気立てが良いばかりではなく、首里城下でも幾人もいないほどの美人でした。
それでしたのでチルーを意味ありげな視線で屋敷の中を覗いていく
若い侍が何人もいて夫の存在など無視するありさまでした。


病弱なうえ気弱になってしまった嘉平川は妻のチルーが
甲斐性の無い自分に愛想をつかし他の男に心変わりするのではないかと、

嫉妬・疑心暗鬼に陥り、ついには枕も上がらぬ重病になってしまいました。

そんなある日、嘉平川は妻チルーを枕元に呼び寄せ愚痴っぽい口調で話します、
「チルー、毎日迷惑をかけてすまない、俺はどうやら病気が治る見込みはないらしい」
「お前のことが気がかりでこのままでは死んでも死に切れない お前は美人だから言い寄ってくる男は多いだろう。
 お前は俺のことなど忘れて他の男に心を移すに違いない」と。
チルー「貴方という人は・・・、私はそんな浅ましい女ではありませんよ。
他の男に心移すなど考えて事もありませんわ・・」

チルーは涙ぐんでこう言いましたが、
「そんなことを言っても信用できない。お前のその美しさは今の私には残酷な仕打ちなんだ」
夫のそんな言葉を聞くとチルーは思いつめた表情でしばらく考え込んでいました。


536: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:46:52.77 ID:1+s53sH4i
チルー「わかりました。貴方は私の顔が醜くなれば、ようやく安心するのですね。」
嘉平川「私以外の男を夫にしないと、誓ってくれ」
チルー「でも、私が醜くなったら貴方こそ私を愛してくださらないのではありませんか、、、」
嘉平川「そんなことは無い、お前がどんな姿になっても、一生お前を愛し続ける」
チルーはまた思いつめた表情でおりましたが「わかりました」と一言告げると
スッと立ち上がり隣の部屋へ入っていきました。


まもなく隣室から「ううっ!」という悲鳴ともうめきともつかぬ声が聞こえてきました。
病気の体をおして這うように嘉平川が隣室を覗いて見ると・・・妻のチルーが倒れており肩を震わせております。
「おい!どうしたのだ!」夫の声に妻は決心したようにゆっくりと顔をあげます、
「はっ!」妻の顔をみて嘉平川は息を呑みこんでしまいました。


537: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:47:42.75 ID:1+s53sH4i
チルーは夫への変わらぬ愛を誓いわが身を傷つけたのでした。
あの美しかった彼女の鼻は無残にもそぎ落とされ
はじけたザクロのように裂け割れとめどもなく鮮血が噴き出しておりました。


「私は貴方以外の男を夫にする気はございません。その証拠にこの通り、自分で自分の顔を醜く傷つけました。
 世間の男達もこの私に変な目つきをしなくなるでしょう。だから貴方は余計な心配などせず一日も早くご病気を治して下さいませ」
と鼻から息が抜けるようなちからない声で泣きながら言うと、
嘉平川は今までの妻への猜疑心・嫉妬を後悔し、「チルー!おまえの心を疑ってすまなかった!ゆるしてくれ!」
と心から詫び、「そこまでしなくても・・・」と今更ながら思うのでありました。
チルーのあの美しい顔は二度ともとにはかえりませんでした。


538: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:49:08.77 ID:1+s53sH4i
不思議なことにこの日を境に、嘉平川の病状は回復していきましたが・・・
二目と見られぬ顔になった妻チルーに対して哀れさよりは嫌悪感が先立ってしまいます。
健康な体と明るさを取り戻した嘉平川里之子は 妻チルー以外の女に目を引かれ心をうつすようになり、、、
ついにナビーという寡婦(後家)と深い関係になってしまいます。

・・・そしてこの情事がいつしか妻チルーの耳に入ります・・・・・。
病床の夫に余計な心配をかけまいと自らの鼻をそぎ落とし二目と見られないほど顔を醜くしたチルー。
その夫嘉平川が、自分の目を忍んでナビーという後家と深い関係になったことを知り落胆します。
食事もろくに取れず今度は彼女が病気になってしまい床に伏してしまいました。
これ幸いと嘉平川はますます情婦ナビーとの密会を重ね、2、3日彼女の家に泊まることしばしばでした。


539: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:50:44.63 ID:1+s53sH4i
しかし以前あんなに愛してくれた夫、話さえすれば判ってくれるだろう、、チルーは病床から嘉平川に話しかけます。
「貴方は最近ナビーという女と親密な仲になっているそうですが本当なんですか」
「誰がそんな嘘を言うんだ! 馬鹿なことを信じるな!」
「嘘!わたしは貴方の態度でわかります。それに、、、人からも聞きました! 本当のことを話してください!」
嘉平川は狼狽しその場を立ち去ろうとしますがチルーが着物の裾をつかみ離しません。

「今日こそははっきりさせてください!貴方は私がこんな醜い顔になったので愛想を尽かし、
あのナビーという女と一緒になる気でいるのですね!私を捨てる考えなんですね!!」

チルーはなおも必死の形相で 「私がこうなったのもみんな貴方の病気を治してあげたい一心からです!
それが今になって私の顔を見るのも恐ろしそうにするなんて!なんて薄情な人なんでしょう! ・・・男の心はそんなに変わりやすいものなのですか・・・」

ここまで責めたてられ手が付けられないと思った嘉平川はついに本心をさらし やけくそになって
「そうだ「なんて、ひどい!」 チルーは夫の無情の言葉に声もちから無く泣き伏してしまいます。
嘉平川はそれ以来、家を出て行きます。

一人残されたチルーは誰の看病も受けることなく夫の不実を怨みながら数日後一人寂しく死んでしまったのです。

!お前のその恐ろしい顔をみて心変わりしない男はいないさ!」と言い放ちます!!


540: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:51:46.71 ID:1+s53sH4i
~ 変て行くものや人の心 ~
数ヵ月後、、それは月夜の出来事でした。嘉平川里之子は愛人のナビーと首里城下の森を散歩しておりました。
松林に覆われたこの場所は眼下に那覇を見下ろす眺めのいい森でした。
この夜は満月で青々とした月光がしのび逢う二人を照らしています。


詩情あふれる月を仰いでいると嘉平川は深い感情に誘われ 「 月や昔から 変わること無さみ」
と歌の句が浮かび静かに声に出して詠みました。 そして次の下の句は何と詠おうかと考えておりました・・

その時です・・ 音も無く風が吹いてきて松の枝を揺らし、なぜか寂しい不気味な風に乗って・・
~ 変て行くものや人の心 ~  どこからか聞こえてくると嘉平川の耳をつらぬきます。
それは聞き取りにくい声でしたがどこか聞き覚えのある声に 「はっ!」と驚き傍にいるナビーを見つめ「いまの詩はお前の声か!」と尋ねます。

黙って月を見ていたナビーは「いえ!わたしは何も喋ってませんし、何も聞こえませんでしたよ!」驚いた表情で答えます!

「まさかあの声はチルー・・」と思ったその時! 
~ 月や昔から 変わること無さみ 変て行くものや人の心 ~ また嘉平川の耳に聞こえてきました!
 

「間違いない! 死んだ妻チルーの声だっ!!」叫び声と同時に
目の前の松ノ木間から白い姿がボウッ―と浮き上がるのが見えました!

それは顔の真ん中にぽっかりと黒い穴の開いた妻・チルーの顔でした!

~~ 貴方は、この私を、、決して変わることの無い愛を誓ったのに!
あれほど貴方に尽くした私を捨てましたね!この怨み晴らさずにはおきません!! ~~

恐怖に絶えかねた嘉平川里之子はついに気を失ってその場に倒れてしまいました。


541: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:52:36.46 ID:1+s53sH4i
その後も妻・チルーの亡霊は嘉平川里之子の前に現れ続けます。
嘉平川は恐怖をまぎらわせんと毎日酒をあおります。

いつの日か彼は常軌を逸した性格になってしまいある行動に出ます。
「妻の死骸の足を釘付けにしたら幽霊となって出てくる事もなくなるのではないか!」
その日彼は夜になるのを待って真嘉比道にある妻を葬っている墓に出かけていきました・・・・


542: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:53:09.02 ID:1+s53sH4i
真嘉比道(まかんみち)は 崇元寺から首里・儀保への抜け道です。
嘉平川里之子の妻チルーの墓はこの真嘉比道にありました。

墓の入り口、嘉平川が石板をはずし中に入り白い布に覆われた棺の蓋を開けると・・・
すでに体の肉半分がただれ落ちた妻の死体が現れました。


まさに鬼気迫る光景でしたが里之子はかなりの
お酒を飲んでましたので怖いとも気味悪いとも思いませんでした。

意識がもうろうとした状況で嘉平川里之子は妻の両足を持参した
金槌と長い釘で棺おけにしっかりと打ち付けました。

「よし!これで妻の亡霊は現れないだろう!」ようやく安心した嘉平川は
家に帰りまた酒を飲んで寝てしまいました。



543: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 21:53:52.01 ID:1+s53sH4i
それからどれだけの時間が経ったでしょうか、暑さで寝苦しさを感じふと目覚めた嘉平川が
部屋の暗闇にぼんやりと浮かぶ白い姿をみて仰天!しました。

なんとそれは妻チルーの幽霊です!!

~この恨み晴らさずにおきません~ その姿は顔中血だらけ髪は乱れ抜け落ち目は血走り
~あなたは、あなたは私の足を釘で打ち付けましたね!だから私はこんな姿になって・・・
~ なんとチルーの亡霊は両足を釘で打ちつけられた為、逆立ちの姿で嘉平川の目の前にぶら下がって現れたのです!

チルー・逆立ち幽霊は毎晩のように嘉平川の家に現れました。
困り果てた嘉平川は首里は守礼の門近くの天界寺から御札・護符をもらい屋敷の角々に貼り付けました。
それからというもの、嘉平川里之子の前にはチルーの亡霊は現れなくなったのですが、、、、。


真嘉比道は昼間でも寂しい通りで夜になれば人通りもなく薄気味悪い場所でした。
この真嘉比道に逆立ち幽霊が出るようになったのです。



544: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 22:24:37.03 ID:LkgSoN8Si
ある日、池城里之子という人がこの道を通りかかりました。
彼も逆立ち幽霊の噂は聞いていましたが「この世に幽霊などいるはずがない、あるにしても幽霊が出るのは何か理由があるに違いない!」と考えていました。

彼はどんどん通りを進み帰宅を急いでおりましたが・・
やはり彼の前にも逆立ちの幽霊は現れました!

その姿を見た池城里之子は一瞬たじろぎますが勇気を出して逆立ちで現れた幽霊に問いかけます「お前は何故毎晩この場所にそんな姿で現れるのだ・・」と。
すると逆立ち幽霊・チルーの亡霊は今までの身の上を語った後 次のように池城に哀願します・・・。


545: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 22:26:36.83 ID:LkgSoN8Si
~ 嘉平川の屋敷には天界寺の護符が貼られているため屋敷の中に入って怨みを言うことができません。
お願いです!あの護符を剥がしていただくわけにはいきませんか!・・。
そのことをお願いする為に、毎晩この場所で何人もの前に立ちましたが、
みんな私の姿を見ると逃げてしまいます!

どうか里之子様!私の願いをかなえてください!!

以前から嘉平川の妻に対する仕打ちを噂に聞いていた池城里之子。
亡霊チルーの言葉に心を動かされ道義に外れた嘉平川里之子の行動を怒り
哀れなチルーの為に一肌脱ぐこと約束します。


その夜 池城は嘉平川の屋敷に貼られていた護符をすべて剥がしてやりました。
一方嘉平川はいつになく寝苦しさを感じ遅くまで寝られずにいると、
やがて逆さまの姿で現れたチルーの亡霊に呪い殺されてしまいました。



546: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 22:27:55.98 ID:LkgSoN8Si
その後チルーの亡霊は一度だけ現れました。
それは嘉平川の屋敷ではなく自分の願いを叶えてくれた池城里之子の屋敷でした。


チルーは池城にこう告げます。
「池城家の墓の中に水溜りがありその中に三匹の鯉がいます。この鯉を家で飼うように、」と。
それは彼女の最期の言葉であり池城里之子への感謝の贈り物でした。
三匹の鯉は池城家に幸運をもたらし池城里之子本人も国王の役職に就き、その子孫も繁栄したとのことです。

おわり



601: 本当にあった怖い名無し:2012/07/06(金) 16:58:30.45 ID:VxylCbq+0
>>533
地元だが久しぶりに読んだ
地元てことでかお岩さんやお菊さんより怖かった



551: 真嘉比道の逆立ち幽霊 ~ まかんみちの さかだち ユーリー ~:2012/07/05(木) 23:45:53.03 ID:LkgSoN8Si
ちなみに池城さん実在してたらしくてその後中国で
貿易かなんかやってたみたいだけど病気でおなくりになったらしい
で中国で埋葬されてたみたいだけど何十年か前に遺骨沖縄の実家に戻されたらしい
今現在池城さんのお墓もあるし子孫もいるらしい



612:
本当にあった怖い名無し:2012/07/06(金) 21:42:35.76 ID:xLIbl+MM0
霊能者のおばさん
俺今年入ってから離婚だの交通事故だのでツイてなかったから
親が心配して親戚の自称霊能者のとこ行って話聞いてきなって言うのよ。渋々行ったよ。


出てきたのはくたびれた60過ぎたおばさん。母親の姉。
俺を見るなり『あらーM(俺)、あんたのお母さんから話は聞いてるから、
あたしがご先祖様にアドバイス聞いてくるね』っつって仏壇に向かって拝み始めたんだ。


なにやらゴニョゴニョ唱えているおばさん。
俺は正直退屈でしょうがなかったからあたりを見回してみた。
仏壇を正面に見ると、右側の壁の上部に遺影が五枚掛かってる。
知らない顔だが多分先祖だろうと思ってまじまじと見て驚いた。


全ての遺影の目が怒ってるのよ。それも視線は皆おばさんに向けられてる。
本気で驚いたら動けなくなるってのはホントなんだな。怖いけど俺の目は遺影からそらせないの。
そんな俺を尻目におばさんは『あ~そう、うんうん』みたいに拝みながらつぶやいてる。
お前は誰と会話してるんだよ。


しばらくたっておばさんがこっちに向き直って俺にあれこれアドバイスしてくれたけど、正直何も覚えてない。
だって遺影の視線はまだおばさんに向いてたし、五枚のうち二枚は表情まで変わってたから。
まさに『烈火のごとく怒る』っていう言葉が当てはまる顔。

お礼もそこそこに逃げ帰ったよ。

今は幸い何事もないが、おばさんを慕う人も多くて親にも言えずにここに吐いてみた。
幽霊も出ないつまらん話、かつ長文すまんかった。




613:
本当にあった怖い名無し:2012/07/06(金) 21:51:55.56 ID:GoWnw2LsP
>>612
意外と怖いなこの話。ババァがインチキなんだろうね。
本人が視線に気づいていないっていうのが怖い。



734:
本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:54:27.30 ID:6V6E9Pij0
立ち寄ってはいけない場所
俺の友達が体験した、ちょっと怖い話を書きます
1/6
俺のじいちゃん、寺関係の仕事してて霊感あるんよ
俺がガキの頃よくじいちゃんが「とりつかれた時の対処法とか」「立ち寄ってはいけない場所の判断の仕方」
とか色々教わって育ったお陰で、じいちゃんレベルとまではいかないけど、それなりに霊感が培われて育った

親父はそういうのはぜんぜん分からんっていうんだけどな
で、あれはたぶん5・6年前、すまん記憶が曖昧で覚えてないんだが、とにかく
俺の悪友(結構イケメンでスケベ。だが、面倒見がよく、男女わけ隔てなく好かれるタイプ)
と一緒に、K県の某廃病院(地元の人なら分かるかも)に行ったんだよね、
俺と悪友と、あとその地元でナンパしたJS三人と肝試し。


735: 本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:55:31.36 ID:6V6E9Pij0
2/6
やっぱ女って怖がりだから、一人が帰るって言い出すと、続けて他の二人も帰りたいって言い出すんだよね
で、そこで悪友、仮にKとしとこうか、Kが俺らはこのまま進むから、
帰りたければそのまま山降りて帰りなよって言ってそのまま一人で病院の壊されたドアから進んでいったんよ

俺は、女の子達がかわいそうだったからその一人に
「大丈夫?車あいつのだから、あいつがいないと帰れないんだよ」「俺で良ければ町まで一緒に山降りよっか?」
って聞いたんよ。ナンパした娘達は嫌だの、怖いだの暑いだのしばらく騒いでいたんだが、ある一人が突然静かに、
「それより…ねえ、なんであの人たちずっとこっち見てんの?」って呟きだした

え?どれ?って娘が見てる方向を俺も見てみたら、
2、3人の人影がずっと、病院の上の階の窓から見てるのが分かったんよ

暗くてよく見えないけど、月の光なのか、青白い顔がかすかに動いているのが分かる
俺はその時、じいちゃんの教えをいまさらになって思い出し、
急いでKに「K!引き返せ!!」って叫んだんだが…反応がない…

俺はこれはただ事じゃなくなる予感がして、Kがめちゃくちゃ心配になった。


736: 本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:56:29.24 ID:6V6E9Pij0
3/6
俺は娘たちを残し、Kを追う為にダッシュで入り口に入りかけて、
やっぱり引き返しナンパした娘達に懐中電灯を渡した。「これはお前らが持ってろよ。俺はあいつを戻してくる」
「え…でも…」「大丈夫、俺、コレやってっから」そういって俺は軽くシャドーをして気合を溜めた後、
また入り口に向かって走り出した「…気をつけてね…」

俺は振り返りながら軽く親指をたてて見せ、あの娘達に声をかけた
「もしそっちがやばくなったら、とにかく大声で叫んで、俺すぐ駆けつけっから」
「うん」そういって、俺はKの後を追った
まずは一階、大声で叫んでKを呼び寄せてもいいんだが、
あの人影達に居場所を知らせるようで気が進まなかった


携帯の照明を思いっきり壁や地面に近づけて恐る恐るあいつを探し続けて5分くらいたって、
散乱したカルテなんかがある部屋に入ろうとした時、上の方から人の声がした、Kと、あと誰か別の声…?
俺は静かなこの部屋の中ならなんとか聞こえるかもしれないと思い、
体の動きを止めて全力で天井に向かって耳を立てた



737: 本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:57:22.74 ID:6V6E9Pij0
4/6
「て…くだ…い」「…る…してくだ…い」…ゆるしてください?うまく聞き取れなかったが、
たぶんそんな事を言ってたと思う。なんか、Kが取り付かれたようにずっと謝罪をし続けている…
俺は、このままじゃ危ない、今までの経験からして悪い前兆だと即座に解かった。

「K!そいつの言う事を聞くな!!!」「何も答えず、今すぐそこから抜け出せ!俺がついとる!!」
と叫び、ダッシュで上の階へと急いだ「俺がついとるぞ!!」
自分に気合を入れる為に叫びながら3階のある部屋に行くと

そこには―Kの変わり果てた姿があった…

Kは衣服を身に着けておらず、全身裸を晒した状態で、背を曲げて立っていた。さらに、
その周りを5人くらいの人影に囲まれていた。体格が良く、この部屋だけ妙に香水臭い
「おいこっちこい」男達の一人に呼ばれた俺は、おとなしくKのとなりに立った


738: 本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:58:19.46 ID:6V6E9Pij0
5/6
Kは小さな声で泣いていた。ここから、囲んでいる男の一人と俺との問答か続く
「肝試し?」「…はい」「年は?」「…20です」「ふーん…」
「あのさ、ここ私有地」「はい?」「私有地だよばか、お前ら勝手に俺の土地に入ってんだよ」
「…」「メンバーこれだけ?他はあと何人」「ぼく達だけです」「外のは?」「外のは…友達です」
「二人じゃねーじゃねーか」「…」俺に質問しているおっさんは「ちょっと見てきて」とつぶやくと
他の男達は全員階段を降り外へ向かった

おっさんがタバコを出して一服していると、
外からの懐中電灯のかすかな光が天井に当たった、俺の渡しておいたやつだろうか

わずかにおっさん達の声と、それに答えるあの子達の声がが聞こえてくる
懐中電灯の光が消えた頃、ほんの少し騒ぎの声が聞こえて、
Kのとは違う、別の車のエンジンのかかる音が聞こえた


おっさんの携帯が鳴った「あー、あー分かった」携帯はすぐ切られた
「サイフだせ」俺とKはこうなるだろうなと既に諦めていたのか、
二人とも迷うことなくサイフを取り出しおっさんに渡した


739: 本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 02:59:02.97 ID:6V6E9Pij0
6/6
おっさんはサイフをじっくり物色し、免許証など「要るもの」だけ取ると、サイフを俺達に返した
「ほんとはお前達も乗せてきたいんだけど、お前らは見逃してやるよ」
俺達はその言葉を聞き、涙が出てきた。こういってはなんだが、純粋に嬉しかったのだ。
「あっありがとうございます!」「ありがとうございます!」「すみませんでした!」「すみませんでした!!」

おっさんは俺達の声には無表情に答え、
部屋を後にし、しばらく静寂が部屋を包んだ後、車が砂利道を走る音と共に去っていった。

窓からは、砂利で揺れるワゴンが走り去っていくのが見えた

その後、俺は親父にこのことを話すと、「馬鹿もん!なぜあそこに入った!!」と顔を真っ赤にして怒られた
なんでもあそこは何年か前から、何も知らない一般人を相手に
ヤクザがユスリをかけたり時には人をさらうなんてことを
しているという噂があるらしい。

親父は「金とかは盗られてないか?誰か、友達とかは被害に遭ってないだろうな…?」と心配そうに尋ねてきた
俺は、父親の不安そうな顔を見て「大丈夫、何もされずに見逃してくれたよ」と答えた。

THE 遠藤



752:
本当にあった怖い名無し:2012/07/08(日) 12:42:48.15 ID:eisNpL760
>>739
普通に語り手がクズで笑えない



874:
本当にあった怖い名無し:2012/07/09(月) 13:40:15.25 ID:Fxu38kXh0
カレンダー
私はカレンダーに当日の予定を書き込んでいます。
その日も、今後の予定を書き込んでいました。すると、なにか違和感を感じます。
よく見ると、以前書いた予定が微妙に変わっていたんです。

6/3 スーパーで日用品をまとめて火事ですか
6/11 市役所で住民票を事故ですか
6/26 11時に農協が来るので病気ですか

私は一人暮らしです。
誰がこんなイタズラをしたのか分かりません。本当に不気味でした。
もう29日だったので、かまわないと思い、6月分を破り取りました。

心臓が止まるかと思いました。
なんと、7月の全ての日に 「どんな死に方がよいですか」 と書かれていたんです。
それ以降の月は怖くて見れませんでした。
カレンダーは庭で燃やしました。



888:
本当にあった怖い名無し:2012/07/09(月) 19:17:11.34 ID:Lr/O+WEa0
>>874
なかなか良かったw



909:
本当にあった怖い名無し:2012/07/09(月) 23:59:48.33 ID:Fxu38kXh0
屋根裏の音
去年の夏の話です。

新しく引っ越したアパートで、天上から音がするようになったんです。
なにかが這い回るような音でした。いつも和室の方で聞こえました。

ある日、彼を部屋に呼ぶことになりました。
私は「そうだ。なんの音か、彼に見てもらおう」と思い、押入れの天袋から屋根裏を見るようお願いしたんです。
彼は懐中電灯をもって屋根裏を覗いてくれました。首から上が天袋にすっぽり入っています。

2~3分でしょうか。彼は無言で見ていました。私が「どう?」と聞いても、まったく反応しません。
「大丈夫かな」と思っていると、彼が一度ピクッと動いて、そのあと、頭を戻しました。
そのときの顔が異常でした。別人の顔……というか宇宙人のような顔で、私は驚いて固まってしまいました。

すると彼は「あっ」っと言って後を向き、手で顔を覆いました。
次に振り向いたときはいつもの彼でした。

彼はソファーに座ると、天上の電気をじーっと見ていました。
そして、やたらにペロペロと舌なめずりをしていました。

私が「……ねぇ……どうしたの?」と言うと、彼は上を向いたまま、こう言いました。
「おまえは、たぶん大丈夫だから」
そして彼は、テーブルにあったお菓子やおつまみをいきなりガツガツ食べだしました。

あっという間に全部食べて、なにも言わず部屋を出て行ってしまいました。
それ以来、彼はずっと行方不明です。携帯も不通で、自宅や実家にも帰っていないそうです。
ちなみに、あの音はその日から聞いていません。

それから数週間後です。また怖いことがありました。
夜、家路を急いでいると、電柱の明かりの下に、ボロボロの服を着た男性がいたんです。
その男性は外灯にしがみ付き、空中の何かに腕を伸ばし、必死に掴もうとしているようでした。
私は「きっと、頭のおかしい人なんだ」と思い、遠回りして帰りました。
アパートに近かったので、しばらくは本当に怖かったです。

彼の出来事でナーバスになっていたこともあり、私はすぐに引越しを決めました。
あの夏は本当に怖い体験ばかりでした。



913:
本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 00:21:43.05 ID:obgcLq7H0
>>909
彼氏の顔が変わってたってのが怖いな



443 ::2009/08/27(木) 02:18:37 ID:qAzyC9Vy0
心霊動画
これ信じてもらえるかどうか分からないし、書こうかどうか迷っていたのだが…

丁度1年ほど前、俺と友人のTとOは、Oが「ニコ動に釣り動画つくってうpしようぜwww」と言ってきたので、
買ったきり殆ど使っていなかったOのビデオカメラを持ち出し、俺の親の車を借りて山の中へ出かける事になった。
誕生日の関係で、18になっていたのが俺だけで、免許を俺しかもっていなかったから。

どんな釣り動画かというと、俺とTが録画しながら心霊スポット探索をして、
ほんの一瞬女装したOが画面内に映りこみ、俺とTはその事に全く気付かないまま動画をうpという設定。
今考えるとほんとうにしょうもない内容だが、当時の俺達はノリノリだった。
ただし3人ともビビりだったため、ほんとうの心霊スポットでは無く、
ただそれっぽい山の中へ行き、そこで録画する事になった。

午後4時頃に出発し、適当に山道を走らせていると、いい感じに舗装されていない林道を発見した。
その道を少し進むと開けた場所があり、何かの資材置き場のようになっていて、俺達はそこに車を止めると、
まず周辺で演出に使えそうな場所はないか、Oが隠れ潜めるような場所はないか、色々と探し始めた。

30分ほど辺りを探し回っていると、俺は資材置き場の先の森の中に、ボロボロの小屋があるのを発見した。
TとOにその事を話し、俺が「ここで良いんじゃね?」と聞くと、
Oはさいしょ「ここに1人で待機って気味悪りぃよ…」とゴネていたが、
俺とTは「言いだしっぺはお前だろwww」などとからかい、
「まあ待機と言っても10分くらいだから」とOを宥めて納得させ、
完全に暗くなるまで車の中で待機する事にした。

車の中でゲームをしたり話をしながら2時間ほどが過ぎ、辺りは完全に真っ暗になった。
そして、OがTの姉貴の部屋から無断で持ち出してきた服に着替える間に、
俺とTは、適当にでっちあげた心霊スポットの話をしながら、あちこち撮影を始めた。


444 ::2009/08/27(木) 02:19:26 ID:qAzyC9Vy0
まず10分ほどそんなこんなで録画をし、Oも準備が出来たということで、本命の釣り部分の撮影を開始した。
俺とTは笑いをこらえながら必死でビビる演技をしながら、Oの隠れている建物へと近付いていったのだが、
あと10mくらいまで近付いた時、
Oが突然「やばいやばいやばいやばいやばい!」と叫びながら、小屋の影から飛び出して来た。

俺とTは最初ぽかーんとしていたが、Oがあまりにも必死な形相なため、俺達もつられて全速力で逃げ出した。
広場の車のところまで来ると、Oは自分がまだ女装している事すら気にせずに、
「早く車出せって!ここはやばい!早く逃げねーと!」と、俺を運転席に押し込んで、自分は後部座席に乗り込んだ。
俺とTは何がなんだか解らなかったが、ひとまず車を発車させ、もと来た道を戻り始めた。

暫らく車を走らせ、もう少しで舗装した道路に出る辺りまで来た頃、異変が起きた。
車の天井に、何かが落ちてきたようなドン!という大きな音がした。
俺は親の車を傷つけたら洒落にならないため、一端車を止めて何が起きたのか見ようとすると、
Oが「止まるな!確認なんて後で良いからとにかく走らせろ!ここはやばい!」と、
俺が外へ出るのを止めたため、仕方なく走らせようとしたとき、
助手席にいるTが俺の腕を引っ張りながら、「おい…あれ」と、助手席側の窓を指差した。

Tの指差しているところみて俺は絶句した。
森の中から、大勢の人がこちらへ向かって歩いてくる。
人数は20人くらいはいただろうか。
全員下を向いてうつむいたまま、ゆっくり歩いているはずなのだが、見た目以上のスピードで車へと接近してくる。
俺は全身の毛が逆立つような感覚に襲われ、全身に嫌な汗が流れ始めた。
ただ人が歩いてくるだけなのだが、俺にはそれが物凄く恐ろしいものに見えた。


446 ::2009/08/27(木) 02:20:23 ID:qAzyC9Vy0
俺は車を急発進させ、後は3人とも無言だった。
暫らく走っていると、遠くにドライブインらしい明かりが見えた。
俺はTとOに「とりあえずあそこに入るか…」と言い、
2人は無言だったが、そのままドライブインの駐車場に車を止めた。

そこであらためOに事情を聞くと、ようやく自分が女装している事を思い出したのか、
「とりあえず着替えさせてくれよ」と言った。
そこで3人とも緊張感が解けたのか、車内の空気が正常に戻った。

3人とも落ち着いてきたため、ドライブインの自販機でコーヒーなどを買い、
そこでOに、あらためてあの時何があったのかを聞いてみるた。

Oの話をまとめると、
Oは俺達が来るまで小屋の裏手で待機していたのだが、小屋の反対側から人の声がしたため、俺たちだと思い、
予め打ち合わせしていた小屋の窓のところに移動して、俺達が来るのを待っていたらしい。
しかし、いつまで経っても俺とTがこないため、一端道の方へと顔を出した。
すると、道の真ん中にぼさぼさの頭のおばあさんが立っており、こちらをニヤニヤと笑いながら見ていたとか。

Oはちょっと気味悪かったが、お婆さんにそこにいられると段取りが狂うため、
「すいませーん、ちょっとの間で良いので、どいていてもらえませんかー?」と聞いたのだが、
お婆さんはにやにやとOを見て笑っているだけで、何の反応もない。
Oはちょっとむかついて、お婆さんのすぐ近くまで行き、
「ちょっと、2~3分でいいからどいていてくれよ!」と、強い口調で言ったらしい。
するとお婆さんは、にやにやした表情のままOの腕を掴み、そのまま森の奥へと連れて行こうとしたとか。

Oは「何するんですか!」と言って抵抗したが、
老人とは思えないほど強い力で引っ張られ、ずるずると奥のほうへと引き摺られていった。
そして、森の奥のほうからは、大勢の人がOのほうへと向かって歩いてきたとか。
Oはそこで身の危険を感じ、お婆さんを蹴りで突き飛ばして、そのまま俺達の方へと逃げ出し、
途中で俺達と合流したという事だった。


451 ::2009/08/27(木) 02:33:57 ID:qAzyC9Vy0
それが人だったのか、それ以外のものだったのか、Oには分からなかったらしいが、
とにかく、普通ではない集団であったのは間違いがなかったと思う。
なぜなら、俺達が戻る途中でみた集団も、なんと説明したら良いのか、とにかく異様な雰囲気がしていたから。
何か釈然としない状況ではあったが、動画作成にも事実上失敗し、時間も時間だったため、
その日はこのまま解散となった。

それから夏休中、俺とTとOは何度かつるんで遊んだりしていたが、
あの日の事はなんとなく3人とも話せずに過ごしていた。

そんなある日、俺が友達と朝までカラオケをして、午前5時頃に自転車で家への帰り道を走っていると、
大通りの道の反対側にOをみつけた。
Oは両手でお盆をもっているようで、良く見てみると、
どうやらお盆の上に、水か何かの入ったガラスのコップを乗せているようだった。

俺は、あいつ何やってんだ?と思い、「おーいOどうした~?」と呼びかけたのだが、
聞こえていないのか全く反応が無い。
そのままOは十字路を曲がるとどこかへ行ってしまった。

その日の午後2時頃、俺はOからの電話で目を覚ました。
Oが言うには、『電話では説明が難しいからとにかくうちへ来て欲しい』と言う。
Oの家につくと、Tもいた。

そして、Oは俺とTにまずこれを見てくれと言い、あの日録画した動画を見せた。
その動画を見ていて、Tが「どういう事だ?なんだこれ?」と言い出した。
俺も口には出さなかったが、Tと同じ感想だった。


453 ::2009/08/27(木) 02:35:12 ID:qAzyC9Vy0
なぜかというと、俺達は確かにあちこちを録画して回ったはずでその記憶もあるし、逃げ出したときの記憶もある。
当然3人とも記憶に不一致は無い。
しかし、動画内で俺達はなぜかずっと車の中におり、ビデオカメラは後部座席に固定されている。
動画が流れ始めて20分くらい、なぜか俺達が無言のまま座席に座っているところが映し出されていた。

動画が20分を過ぎた頃、後部座席にいたOがドアを開け、やはり無言のまま外に出ると姿が見えなくなった。
そしてそこから5分ほど過ぎた頃、俺とTもドアを開けると外に出て、
動画には誰もいない映像がそこから10分ほど映されていた。
動画の中で、俺達は一言も会話をしていなかった。
聞こえてきていたのは、ドアを開ける音や、外からかすかに聞こえて来る虫の声のみだった。

そこで一端Oが動画を止め、俺とTに「どう思う?」と聞いてきた。
俺は「どう思うと聞かれても…なんだよこれ…」と答えるしかなかった。
動画の中で俺とTとOは、俺達の中にある記憶とは全く違う行動をしている。
そんなものどう答えたら良いのかなんて分からない。Tも当然同じ意見だった。

Oは「そうだよな…でさ、この後の映像も変なんだよ…」と言い、停止していた動画を再生し始めた。
暫らく誰もいない車内と、フロントガラス越しに見える外の景色が映っていたのだが、
更に4~5分すると、車の前方の方に人影が見えた。

その人影はどんどん車の方へと向かってきており、暫らくするとそれが、
ぼさぼさの髪のおばあさんである事が分かった。
Oはそこで、「こいつだよ、こいつ!俺の腕掴んで引っ張ったの!」と少し興奮気味に言い出した。
そのお婆さんは、暫らく車のボンネットに手を着くと、にやにやと笑いながら車内を見ていたが、
すぐにもと来た道へと戻っていった。


454 ::2009/08/27(木) 02:36:11 ID:qAzyC9Vy0
おばあさんが見えなくなった直後頃、動画に変化があった。
急に俺達が騒いでいる声が聞こえ始め、
「やばいやばい!」と叫ぶOと、何が起きたか解らないまま動揺している俺とTが映し出された。

それは本当に唐突で、まるで車の付近にずっと待機していて、急に慌てる演技をし始めたかのような不自然さだった。
そこからの映像は、車を発進するまでしか録画されていなかったが、間違いなく俺達の記憶にある映像だった。

しかし、一つ不思議な事があった。
Oは録画直前に女装したはずで、元の服に着替えたのはドライブインについてからだ。
しかし、なぜか動画内のOは普通の服のままだった。一体Oはどこで服を着替えたのか…
何もかもが不自然でおかしい。
俺達の記憶と全く違う内容の動画に、3人とも完全に混乱してしまっていた。

動画を全て見終わってから、Oは「でさ、今日のことなんだが…」と話し始めた。
「昨日の夜に寝てさ、今日気が付いたらなぜか○○川(地元の比較的大きな川)の橋のところで、
お盆の上に水の入ったコップを乗せて立っていたんだよ。俺そんなことした記憶全く無いのに…」
俺は今朝の出来事を思い出し、TとOにその話をした。

Oに話しかけたが、全く気付く様子がなかったという事を。
それからOはこう続けた。
「それでさ、わけわからないまま家に帰ってきたら、急に“あの動画を見なければいけない”という気持ちになって、
それで見たらあの状態だったからさ…少し悩んだけど、お前達にも見せたほうが良いと思って呼んだ訳」
そこでTがこう言った。
「この動画のフラッシュメモリーさ、このままにしておくのヤバくね?
お払いとかしてもらったほうがいいんじゃないか?」

俺とOもそれには同意見で、
早速近所のお寺に、ビデオカメラと問題の動画の記録された
フラッシュメモリーを持ち込み、和尚さんに事情を話した。
和尚さんは半信半疑で俺達の話を聞いていたが、動画を見せると暫らく考え込み、
「このカード暫らくあずからせてくれないか?」と言って来た。

俺達はこんな気味の悪い物をもう手元に置いておきたくなかったので、
二つ返事で同意すると、フラッシュメモリーを和尚さんにあずけ、携帯の連絡先を伝えると、
お寺を後にしてその日は解散した。


456 ::2009/08/27(木) 02:36:57 ID:qAzyC9Vy0
翌朝、俺は混乱していた。
朝目がさめると、昨日のOと同じようにお盆の上に水の入ったコップを乗せ、○○川の橋の上に立っていたから。
そして、その横には放心状態のTもいた。

Tは何度か呼びかけても返事がなかったが、肩をゆするとハッとした顔をして俺の方を振り向き、
「俺今何してた?ここどこ?????」と言い出した。
俺は昨晩家の布団の中で寝て、それから今まで起きていなかったはず。
Tも同じ状況だったにも関わらず、気が付いたらここにいたらしい。

俺は気味が悪くなり、ひとまずOに電話をした。
Oは寝起きで最初寝ぼけていたが、事情を話すと俺の家まで来てくれた。
そして、3人で相談してもう、一度昨日のお寺へ行って事情を話す事にした。

お寺に着くと事情を分かっていたからか、和尚さんはすぐにあってくれた。
3人に起きた事を和尚さんに話すと、和尚さんは腕組みをして暫らく考え込んでいたが、
何か思い出したかのように暫らく席を外すと、お守り袋を3つもって戻ってきた。

そして俺達にこう言った。
「3人とも、もうこの事は忘れなさい。そして、このお守りを1年間肌身離さずもっていなさい。
そうすれば、今日あったようなことはもう無いはずだから」と。
そして、「フラッシュメモリーだっけ?これは引き続きうちであずからせて欲しい。それでいいか?」と聞いてきた。

和尚さんは何か俺達の身の上に起きた事情が何なのか、何となく分かっていそうだったが、
結局俺達にはなにも教えてはくれなかった。
俺達もその事を深くは追求しなかった。というより、しないほうが良いと感じた。

ただし、和尚さんは一つだけある事を教えてくれた。
まず、俺達に「その資材置き場のような場所か小屋の近くに、川はあったか?」と聞いてきた。
Oが「覚えている限りではなかったと思うけど…」と答えると、和尚さんは「そうか…」と言って、
続いて、なぜ俺達が無意識に水の入ったコップをもって外に出たのか、憶測を交えながら話し始めた。

どうやら俺達は、何か呪いの一種のような物をかけられていたらしく、
その呪術の続きを川伝いに俺達へと、何者かが送り込もうとしていたらしい。
その何者かが人なのか、それともそれ以外の何かなのか、それは和尚さんは教えてくれなかったが、
とにかく、川を通ってやってきた呪いの受け口となっていたのが、そのコップと中に入った水らしい。

俺達は呪いの元に誘導されて、寝ているうちに家にあるコップに水を汲み、
川へと呪いを受け取りに行っていたという事だった。
このまま何の対策もせず、俺達が呪いの続きを受け続けていたら、
その後どうなっていたかは、和尚さんにもわからないらしい。

ただし、「無事ではすまなかっただろう事は確実だ」とも言っていた。
このお守り袋は大した力は無いらしいが、
少なくとも、俺達の居場所を呪いの元から分からなくすることができるらしい。
そして、1年もすれば呪いの痕跡そのものが消えるため、俺達が操られる事も無いのだという。

お守り袋を貰うと、俺達は特に根拠があるわけではないが、不安感から多少なりとも開放され、
何かほっとしてそのまま各自家に帰った。

それから俺達は高校を卒業し、進路もばららばとなり、俺は都内の大学に進学した。
TとOとは今でも連絡を取り合っているが、あの日の事は話題に上がることは殆ど無い。
和尚さんに言われたとおり、お守り袋は今でも肌身離さずもっているせいか、
あれ以来俺達に、記憶の喪失やおかしな出来事は起きていない。



915: 子供:2012/07/10(火) 01:35:53.01 ID:COnTfSmE0
子供
あんま怖くないかも知れんが、俺自身は凄く怖かったって話し。
長いので暇な人だけ読んで下さい。

九州の南部に住んでるんだけど、去年の8月の半ば位に暇潰しに友人4人
(男TとU2人、女RとK2人)とで肝試しをする事にした。
県内の山の中にあるS病院跡が割と有名らしく、夜の9時半位に家を出て俺の車で向かった。

病院跡の周辺には民家も何も無いって話しだったから、
途中にあるコンビニに立ち寄って缶ビールやジュースやら菓子やら花火なんかを買い込んだ。
買い物が終わって店を出た駐車場で偶然、別の友人グループとバッタリ出食わした。
んでその場で駄弁ってる内に盛り上がっちゃったのね。
今買ったばかりのビールにジュースに袋菓子や唐揚げを食いながらで物凄く楽しかった。

そこのコンビニは郊外にあって、出来てまだ半年か1年位でまだ新しく、
タクシーの待機所も兼ねていて、タクシーの運転手が2人、車外に出て世間話をしてた。
携帯でメールしててふっと横に目をやると、その内の1人の運転手のオッサンが話しながらこっちをチラチラ見てる。

目が合った途端、オッサンの方から顔を逸らしたけど、又直ぐにこっちを見てんのが分る。
コンビニの入り口から少し近いトコに集まって喋ってたもんだから、
あー、ひょっとして俺達のこと邪魔とか思ってんだろうなーって。

そこで改めて周り見ると、いつの間にか駐車場に俺達と似たようなグループが
2、3組み程増えてて、広めの駐車場が人でごった返してたのね。
これはヤベーわと思ってたら、案の定それから直ぐにパトカーが1台駐車場に入ってきて、
スピーカーで「君達すぐに解散しなさい」って言って来た。


916:
子供2:2012/07/10(火) 01:37:04.07 ID:COnTfSmE0
国道沿いにパチンコ屋やゲーセンが集中してて、ナンパスポットも近くにあるし、
そんな中心にあるもんだから週末になると、こういった事はしょっちゅうなので地元の連中は馴れっこ。

たまに国道を族がまとまって走って、パトカーと追いかけっこをやらかすんで、
それ目当てのギャラリーも結構多く集まる。
コンビニの駐車場に人が集まり過ぎると他の買い物客が入り辛く、
客も店も迷惑するんで集まり出したら速攻で警察に通報すると、
顔馴染みになったやたら背の高いコンビニの夜勤のオッチャンが教えてくれた。

しかも、ちょっと前にコンビニの入り口から店内に向けてロケット花火を何発もぶっ放したアホがいて、そのせいでパトカーの到着がやたらと速くなった。

警官がパトカーから降りて来て「家に帰るように」と促して廻る。
集まってる奴らみんな面倒臭そうにしながら徐々に駐車場から車で出ていく。

それで俺達も車に戻って、ようやくそこで最初なにやるつもりだったか思い出して、改めて病院跡へ出発した。
ちなみに上でビールを買ったって書いたけど、俺自身はアルコールは一切駄目な下戸なんで。
それもあるから運転は俺がする事になったわけで。

病院跡の場所を俺は知らなかったので、病院跡で肝試しをしようって言い出したUが助手席でナビゲートしてくれながら初めての暗い山道を進んだ。
約1時間半ほど掛かって目的地に付いた。
小さな休憩所みたいな所で、ここで一旦車を駐めて、そこから少し歩くらしい。


917:
子供3:2012/07/10(火) 01:38:39.08 ID:COnTfSmE0
時間は午前零時を回ってたと思う。
山の中にも関わらず意外と外は月明かりで薄明るい。
外に出て持参した懐中電灯2本で適当にそこら辺を照らしてた。

マルボロに火を付けて背伸びしながら振り返ると車でTがしゃがんで後部座席の下をゴソゴソしている。
どした?って聞いたらライターを落としたんだと。
俺も運転席と助手席を見てみたけど何も見つからない。
俺「あれ?さっき吸ってたのは?」
T「Rから借りた」
俺「ひょっとしたらさっきのコンビニで落としたんじゃ?」
T「あー・・・かもなー・・・」
コンビニまでここから1時間半は掛かるから帰りに寄ろうって事になった。

準備を整えて廃墟へ向かう。
木ばっかりの細い獣道っぽい所をワイワイ喋りながら5分程進むと開けた場所に出た。

結構広い、サッカー場の倍くらいはありそうだけど、砂利が敷き詰められてるだけで何も無い。


918:
子供4:2012/07/10(火) 01:39:32.99 ID:COnTfSmE0
どうも取り壊して更地になってるって感じ。
なんもないじゃんって言ったらUは「えー?去年はあった筈なんだけどなぁ」とか首を傾げてる。

おいおいUさんしっかりしてくれる~?とかUをからかい、せっかくなんでコンビニで買った花火で遊びだした。
上半身裸になった男3人が両手に火の付いた線香花火を持って奇声を発しながら走り回る。
親から黙って借りてきたビデオカメラで巨乳のKにセクハラする。

そしてロケット花火で反撃を喰らう。
ねずみ花火でサッカーをしてたらいつの間にか砂利を相手に投げつける遊びに変化する。
今思い返すとなかなかに下らなくてアホ素晴らしい、つーか何やってんだろホント。

そんな風に騒いでると獣道の丁度反対側に道路があるのに気付いた。
辺りを良く見ると駐車場の跡らしきスペースがあってその先に道が続いてる。

T「本当はこっちから来るのが正解だったんじゃね?w」
俺「いや普通にこっちだろw」


919:
子供5:2012/07/10(火) 01:40:39.21 ID:COnTfSmE0
取り敢えず奥まで行ってみようって暫く歩いてると2~300M先に外灯の明かりとガードレールが見えてきた。
どうも本当にこちらから来るのが正解だったようだけど、
今更車をこっちに回して来ても意味無いし、戻るかって話してると、
途中に横道らしいのものを見付けた。
真っ暗な林のせいで先は何処に続いてるのかは分からない。

T「ちょいコッチ行ってみねぇ?」

みんながTに付いて行って横道に入って直ぐ、急にTが立ち止まんの。

T「待った!」みんながTの様子を伺ってると、

ブフォッ

R「馬鹿じゃないのw」
K「イヤwホントくさーい!マジ最悪w」
T「ウフフフw」
俺「寄んな、抱きつくなw」


920:
子供6:2012/07/10(火) 01:41:48.25 ID:COnTfSmE0
ガキみたいに屁こきで爆笑して、じゃれ合いながら進んでると、木と木の間に黒い大きな塊が見えて来る。
パッと見どうも民家っぽい。

近づくと確かに2階建ての1軒家がポツンとある。
壁や塀に蔦が生えてたり建物の周囲も草がボウボウで、
玄関の前にはゴミが散らばってるし、古い一輪車が裏っ返しにして置いてある。
どう見ても人が住んでいるようには見えない。

「うわぁ・・・なんでこんなトコに家があるんだろ?」とか「イヤー、ここ怖いよ」なんて女2人は言っててビビってる。

俺も心の中で(なんだかやべぇーなここ)と思いながら背筋がゾクッとした。
月明かりに薄っすら浮かぶ建物って結構迫力あって俺も含めてみんなビビってた。

すると家の方から「ガン」とか「カコン」って音がすんのね。
うぉお!?ってビクついてパッと横見ると、Tが石を拾って家に向かって投げてんの。
こいつがニヤニヤしながら「ビビった?」とか聞いてくるんでちょっとイラッとした。

このTって男は本当に悪戯好きって言うか怖いもの知らずって言うか、
黙ってるとダルビッシュに似た顔とタッパでモテる筈なんだが。
ガキっぽ過ぎるって女達から言われる事が多い。


921:
子供7:2012/07/10(火) 01:42:50.68 ID:COnTfSmE0
実はコンビニのくだりで省いたが、パトカーから警官が降りてきた時に、
手に持った缶ビールを振りながら大声で「さて運転しよっかなー」
とか言いつつ運転席に乗ろうとしたり、駐車場から出る時も警官に向かって何か暴言を吐いたり、やたら挑発的。

ここでもTだけは余裕でスタスタ塀の内側に入って行き、
玄関の扉をガチャガチャやって開きそうにないのを確認すると、裏手に回って庭に入って行った。
この行動力だけは感心するっていうか、半ば呆れた。
それでTに付いて行くと、何か違和感がある。それが何なのか思い出せない。
でもイライラしそうだったからあまり気にしないようにした。

生え捲った雑草で歩きにくい庭に入ると縁側の1階の窓が1枚、人が潜れる位に割れてて中に入れそうだった。
閉めきったままのカーテンを捲って中を照らすと6畳位の部屋らしい。

RとKの女2人は完全にビビってて「ムリムリムリ」とか半泣きで中に入りたがらなかった。
この雰囲気では流石にしょうが無いなと思った。
でも逆にTだけでなくUも案外平気そうにしてんのね。
男3人の中で俺だけビビってるのは有り得ないでしょ。
駄目でしょって自分に言い聞かせながら、俺も平気な振りしてた。

結局女2人は外で待って、俺とTとUの男3人で中を探検する事にした。


922:
子供8:2012/07/10(火) 01:43:48.67 ID:COnTfSmE0
中に入ると部屋中カビ臭いというか木の腐ったような匂いが凄い。
「うぉー」とか「すげぇ」とか言いながら進んでった。
部屋は畳が敷いてあってタンスや古い型のラジオがそのまま置いてある。
壁には掛け軸が掛けてあるし、開きっぱなしの押入れの中に布団があるしで、どうにも気に入らない。

部屋を抜けると廊下に出て左がさっきの玄関、正面が脱衣所とトイレのようで右に階段と奥に扉が1つあった。
廊下には布切れやビニール袋なんかのゴミが落ちてた。
ゴミの1つに俺達が小学生くらいの時に潰れた店の買い物袋があって、
この家自体10年以上はそのままかも知れないとチラっと考えた。
廊下に出た途端、なんか空気が淀んでるような感じで気持ち悪さが増してく。

脱衣所を覗くと洗面台があり、床が所々抜け落ちてて風呂場には行けそうに無かった。

玄関を調べてたUが俺とTのとこにやって来て「これTのじゃね?」って手に持ったモノを見せてきたのね。
銀色で表面に炎のエンブレムが刻印されたジッポ・ライター。
間違いなくさっきの休憩所みたいなトコでTが探してた物。
Uが言うには玄関の下駄箱の上に置いてあったらしい。


923:
子供9:2012/07/10(火) 01:44:35.63 ID:COnTfSmE0
完全に担がれたと思ったんだろうTが「お前さ、そういうのやめてくんない?マジで」と半ギレ。
そのジッポ・ライターはTと仲の良い年上の従兄弟から
譲って貰った物とかでTのお気に入りなのはみんな知ってる。
人の良いUがそんな他人の大事な物でわざわざこんな悪ふざけするとも思えなかった。
でも急にUが「ゴメンゴメン」って言いながらあっさりと自分が犯人だって白状したのね。

俺もTもUの不自然な態度に「あれ?」って思ったけど取り敢えずその場は気を取り直して、
トイレを調べようとしてた時、頭の上で“ミシ”と音がした。
その瞬間3人とも固まって、誰も声を出さない。

急に冷静になってジットしたまま耳に意識を集中して天井の気配を探った。
音の感じから2階からしたのだろうという事は判った。
音はその1回きりで他に音はしなかった。
お互いに顔を見合わせて何故か小声で「聞こえた?」「人?」「動物?」と確認し合い緊張感が一気に増して来た。

それ以上は何も起こらなかったんで、警戒しながら扉の奥を調べる事にした。
扉のノブを回して手前に引くとそこは恐らくダイニングキッチンと居間を合わせたような広い部屋だった。
ダイニングテーブルがあり、食器棚の中の食器もそのまま。
その奥のキッチンの床はあり得ない位ゴミ袋や紙くずが散乱してて近づきたくもなかった。


924:
子供10:2012/07/10(火) 01:45:42.43 ID:COnTfSmE0
居間のテレビ台の上に凄く古い型のテレビが置いてあって、手前にソファーとテーブルがある。
壁にカレンダーとその横に何か貼ってあるんで良く見ると小さな子供が描いたらしい親子の絵。
クレヨンでニコニコ顔の大きな人2人の間に小さい人が描いてある。

カレンダーの日付は1997年5月。

うわっ15年前じゃん。すげぇ古いなぁとか思いながら、本当になんの気なしにカレンダー捲ったらもうビックリ。
捲ったカレンダーの真裏にさっきと同じ子供が描いたらしい人の絵が描いてあんの。
何がビックリかってその絵の目の部分だけ真っ黒に塗りつぶしてあんのね。
ちょうど穴がポッカリ空いたみたいな感じで。

絵を見た瞬間、呪怨の真っ白い子供を思い出して全身に鳥肌が立った。
持ってたカレンダーをパッと離してどうしてか服で手を拭った。
もう、マジで気持ち悪い。

頭の中のイメージも恐すぎてなんとか別の事を考えようと、
ここに来る前にDVDで観たエアロスミスの“I Don't Want To Miss A Thing”のサビ部分を必死に頭の中で繰り返した。
流石にTとUも気持ち悪がってカレンダーをもう1度触ろうとかしなかった。
このカレンダーで俺は完全に此処に来た事を後悔してしまって、1番元気な筈のTも冗談すら言わないの。



925:
子供11:2012/07/10(火) 02:08:04.00 ID:COnTfSmE0
もう半ば意地で1階部分を見終わって、2階に上がる階段の前に立った。
急な勾配で小さな踊り場がある。
階段の途中の壁にちょうど拳位の穴が開いてた。何かで壁を叩き壊したような感じ。

気のせいか、2階から誰かに視られている気がしてしょうがなかった。
狭いのでTが先頭で1人づつ登る事になり俺が真ん中で後ろにU。

ちょうど踊り場に差し掛かった時に突然B'zのさまよえる青い弾丸が大音量で鳴った。
Tのスマホの着歌が狭い階段に反響してもの凄く響いて思いっきりビクンってなったのね。

電話の相手は外で待ってる筈のRかららしくTがスマホに向かって少し話をした後直ぐに切った。
俺が「何?」って聞くと、
T「出ろって」
俺「は?」
U「どしたん?」
実はこの時、Tの方を向くと嫌でも上の2階廊下部分がうっすら見えるんだけど、
何故だか無性に恐くて意識して見ないようにしてた。
T「なんか直ぐにこっから出ろって」
俺「・・・分かった」


926:
子供12:2012/07/10(火) 02:09:43.97 ID:COnTfSmE0
訳は分からないが兎に角出る理由が出来て少しホッとした。
で、向きを変えて階段を降りかけた瞬間“ダン”ってすーごい重い音が直ぐ真上からした。

もうそっちを見るとかとんでもなくて、速攻駆け降りて必死で家から出た。
あれはほんっとうにビビった。
正直に言うと半泣き。
何かを気にするとか全部吹っ飛んだ。
あの音を思い出すだけで今でも鳥肌がヤバイ。

心臓バックンバックン鳴ってて、大きく深呼吸しようとした弾みに咽て余計苦しくなった。
Tがフー、フーって荒い息しながら、ライトでしきりに家の中の様子を伺ってた。
喉が痛くてツバを吐きながらRとKを探すと門のところに居た。

2人ともお互いに抱きつくようにピッタリくっついててKは震えながら泣いてるし、Rも半泣きで酷い有り様だった。

お互い何があったかとか尋ねる余裕も無くて、殆ど駆け足で車に戻った。

戻る時は俺が最後尾だったんだが、やたら後ろが気になって気になってしょうがなかった。
気のせいなんだろうが、直ぐ真後ろに誰かがピッタリくっついて来てるような感覚があって恐かった。
歩いているうちに段々と無性に腹が立ってきて、何か現れたら思いっきりぶっ飛ばしてやるって気合を入れまくった。
でも絶対に後ろは振り向けなかった。


927:
子供13:2012/07/10(火) 02:10:50.96 ID:COnTfSmE0
車を駐めてある広場の近くまで来て何で違和感があったのかやっと解った。やかましい位の虫の鳴き声。
家の周りでは静か過ぎる位に何の音もしてなかった。

車の側に来た時、TとUが急に興奮し出して、マジ恐かったとかヤベェヤベェと騒ぎ出した。
俺はその時になってようやく後ろを振り返る余裕が出来た程度で、
はしゃぐ元気なんてとてもじゃないが無くて黙ってた。

しかも、RとKはまだショックを受けた感じのままで、
特にKが凄く落ち込んでたから、帰りにみんなでファミレスに寄って落ち着くことにした。
車で山を下ってる最中、何故か急に塩っぽいのが食いたくなって堪らず、
明太子のパスタとアイスコーヒーを頼んで食った。

パスタを食ってる最中、右肘から少し血が出てるのをUから指摘された。
傷自体は少し切った程度だったが、全く痛くなく、どこで何時切ったのか全然気付かなかった。
据付のナプキンで軽く血を拭き取って、少しの間抑えてたら血はしっかり止まった。

パスタを食い終わる位に、店内に入ってすぐトイレに篭ってたRとKが出て来た。
Rはカフェオレ、Kはイチゴパフェ(朝っぱらからかよ)を注文したりして
2人共少しづつ元気が出てきたみたいで、あの家でお互いに何があったのか話し合った。

何でも俺たち男連中が家に入って暫くして、Kがもの凄い視線を感じて2階を見上げると、
窓際に人が立って居てそいつと目が合ったらしい。
小学生位の子供で絶対に生きてる人じゃなかったと涙目で訴えてんのが妙に恐かった。
日頃お化けとか信じないTが茶化さずに黙って真剣に話しを聞いてたのも印象に残ってる。
Rも窓に何かが居たのは見たと言った。
それで中の俺達が危ないと判断してTに直ぐ出てくるように電話したという事だった。


928:子供14:2012/07/10(火) 02:12:50.52 ID:COnTfSmE0
1番2階部分に近かったTが言うには、デカイ音の正体は2階の部屋のドアが凄い勢いで開く音で、
中から真っ黒い何かが廊下に出て来たのがチラッとだけ見えたらしい。
しかしはっきりとは見ていないし、勘違いだったかもと曖昧だった。

Tが珍しく真面目な感じで話してるのを見て(ああ、こいつも相当ビビってたんだ)とようやく気付いた。
Uはダイニングで女の人の声を聞いた様な気がしたが、気のせいだったかも知れないと教えてくれた。
納得いかないままのライターの犯人については、わざとか誰も話題にしなくて、
俺もその時はどうでも良いって気分だった。

再生したビデオカメラには特に変なモノが映っている事も無く、
ただし階段で聞いた重い“ダン”って音だけはバッチリ入ってて再び鳥肌が立った。

ビデオで改めて見ると、驚かせようとして狙ってやったんじゃないかって感じの音のタイミングとか、
本当は家に住み着いた浮浪者とかの仕業だったんじゃないかと少しだけ考えたが、
何にしてもあんなトコに1人で住む奴なんか明らかにまともじゃない。
やはりあの家には何かしらヤバイのが居たのは間違いないと結論付けた。

すっかり明るくなってからUの家に一旦戻って解散し、俺の車でRとKを家まで送る時に
Rが教えてくれた話しで、やっぱり幽霊だったんじゃないかって少しだけ思い直した。

R「(病院跡に)行く時さコンビニ寄ったでしょ?」
俺「うん」
R「駐車場で話してる時、タクシーのオジサン2人いたの知ってる?」
俺「あー、居たね。なんか1人こっちガン見してたわそういや」
R「そそ、そのオジサン、私達の真ん中をずっと見てたんよ」
俺「真ん中って?」
R「うん。ちょうど胸より下、子供の高さくらい・・・」
俺「(マジかよ)気のせいとかじゃ?」
K「アレ私もあのオジサンの視線変だと思った。絶対におかしかった」
俺「・・・・・・」


929:子供15:2012/07/10(火) 02:13:55.49 ID:COnTfSmE0
それでこの話しにはまだ続きがあって、その日から2日後位だったかの夕方にTから電話が掛かって来た。

「さっき車で田んぼに突っ込んだ」って。
んで、怪我とかはしてないし、JAFを呼んで待ってるところだって話しなので場所聞いてその現場まで行ったのね。
家からちょっと離れた交差点のそば。ホント田舎だから、まわりに水田とかあるんだけど。
行ってみたら、ちょうどガードレールの無い場所から真っ直ぐ車が田んぼに落っこちてる。

こりゃレッカーじゃないと無理だわと思ってTとJAFが来るのを待ってる間に
(1時間以上は余裕で待ったが)聞いたのが、仕事から帰る途中、
ちょうど現場に差し掛かった時に急にハンドルが効かなくなって、
そのまま正面の田んぼに突っ込んだという事らしかった。

ハンドルが効かなくなるなんて初めて聞いたし、
どうせ脇見運転とかしててハンドルを切り損ねただけじゃないの?って疑った。
でも本人はいや間違いなくハンドルを左に回そうとしても効かなかったと言い張る。
JAFが来てからJAFの人に聞いても「いやー、そんな事は無いと思いますよ」と言われた。
それでもTは納得いかないらしく、兎に角知り合いの整備工場に持って行って見て貰おうってことにした。
しかしこのハンドルの検査の結果は聴きそびれてそのまま忘れてしまった。

それから更に5日か1週間後か位に又Tから電話が掛かって来て今度は「事故った」。
「え?怪我は?大丈夫?」って聞いたら、怪我は一切してないんだけど車の左サイドをやったと。
レンタルビデオ屋の駐車場から出る時に左から直進して来た軽乗用車とガッチャンコしたらしい。
幸い軽乗用車が元々そんなにスピード出してなかったおかげで、
軽乗用車の女の人も怪我とかはしてなかったそうだ。
それでも念の為に病院で検査受けた直後だって話しだった。


930:子供16:2012/07/10(火) 02:15:26.21 ID:COnTfSmE0
んで、学校とバイトが忙しくってTとは会えずにいて、事故った日から1週間後に又Tから
「今からそっちに遊びに行っていいか?」と電話があったんで「いいよーおいで」って話をして、
1時間後にTが原チャリでやって来た。

Tが玄関に入った時、一瞬線香の匂いがした気がしたけど、気のせいだろうって思った。
事故った車を廃車にして、新車が納入されるまでは代車で通勤するって話しだったから、
あれ?代車どうしたんだろ?とか思いつつTを家に上げて「遅かったじゃん」って話し掛けたら、
「うん」とか返事するだけで妙に元気が無い。

ここ最近立て続けに事故ってるし、流石にへコンでんだろうなーと考えはするけど、
それにしても元気がなさ過ぎるから、「どした?何かあったか?」と聞くと「ちょっとな、話しがあるんだけど」って。

何だか陰気な雰囲気が嫌で少しでも良くしようと思って冗談で
「ここ最近ホントツイてないよな。呪われてんじゃねーの?w」って言ったら真面目な顔して「かも知れん」って。
日頃お化けとか呪いとか馬鹿にして全く信じてないTが言うもんだから、イヤーな予感がしたのね。

それでTの話しによると「夢を見る」と。
ちょうど肝試しの日の晩から毎晩、毎晩夢の中に小学生位の男の子が出てきて、
現実と同じ様に布団で寝てるTの頭の真横に立ってジッと顔を見てるんだって。
俺「えー、それって呪怨みたいな感じ?」
T「いや、見た目は普通なんだけど。でもな、今迄ずーっと立ってるだけだったんだけど、昨日の夜その子が顔を思いっきり耳に近づけて(・・・して・・・して)って呻いたんだよ」
T「あと、あの目はどうしたって生きてる奴の目じゃない」
俺「え?・・・夢だよな?」
T「・・・」


931:子供17:2012/07/10(火) 02:16:25.16 ID:COnTfSmE0
最初はこの間の肝試しでのイメージが強過ぎるせいでそんな夢を見るんだと思ってたが、
それにしても生々しくて、子供が喋った時に顔に掛かる息がリアルだったと。
怖いもの知らずのTもここ最近の事故と夢が繋がりあるんじゃないかと思えて仕方がなく、
それで俺に相談しに来たって事だった。

うわー、洒落になんねぇって思った。
思ったが、幽霊なんて俺も信じてる訳じゃなく、どう対処して良いのかなんて全然解らん。
正直この話を聞いた時も半信半疑だった。
それでもこの話が本当なら、2週間近く毎晩同じ子供の夢を見るって、とんでもなく気持ち悪いなと。

しかし、俺の方は別に何も変な事は起きていないし「何か心当たりとかあんの?」って聞いたら「ある」って。
「あるってなに?」って促すと、マジでビックリする事にTはあの家の中に落ちてた帽子を拾って持って帰って来てんだと。

流石に呆れて「なんでそんなモン拾ったんだよ?」と聞くと
「いやなんかビンテージっぽかったから」なんて返事する。
それにしてもあの時Tが帽子を拾ったなんて話しどころか、
あの場所に帽子が落ちてたなんて事自体初めて知った。

んで「これ」ってTがケツのポケットから出したのが、野球帽。
今の球団名になる前の球団名のロゴが付いてるやつ。どこの球団名かは書かない方が良いだろうから書かない。
もう、なんつーか、どうしてこんなモノをあんなトコで拾って被る気になるんだとか、
何で今迄黙ってたんだとか、ビンテージって意味ちがくね?
とか頭の中で浮かんだけど面倒くさかったから黙ってた。


932:子供18:2012/07/10(火) 02:18:02.49 ID:COnTfSmE0
それでまたこいつが追加で更に嫌な事を言う。
実はこの帽子、3回車で事故った時にその全部に車の中に置いてたって。
それでこれはどうも帽子が原因なんじゃなかろうかと。

俺「え?ちょっと待って、3回って何?」
T「さっきな、此処に来る前に俺んちの真ん前で車がスピンして外壁にぶつけた」
俺「はいー?」
それで来るのが遅くなって、しかも元々家にあった原チャリで来た訳か。
いやいやちょっと待って、ちょっと待って。
今目の前にあるこの野球帽のせいで事故が起こるのなら、俺んちでも何か嫌な事とか起こるんじゃねーだろうな。
とか考えててピーンって来た。

さっきTが言ってた夢の子供が(・・・して)って言うのは、ひょっとしてこの野球帽を「返して」って事じゃないのかと。
事故に子供に帽子って、それ、役満じゃん、これが呪いじゃないのなら何だと言う結論になって、この帽子を元あった場所に返しに行くって話しになった。
でもその日はもう外は真っ暗になってて、とてもじゃないけど行く気にならん。
今夜はTをこの部屋に泊めて、翌朝返しに行こうという段取りにした。


933:子供19:2012/07/10(火) 02:19:05.51 ID:COnTfSmE0
その晩、テレビ観ながら酒とコーラで酒盛りをして、
何時か忘れたけど、夜もだいぶ深けた頃に部屋の床でそのまま雑魚寝した。

そして夢を見た。
今寝ているまさにこの部屋。
真っ暗な部屋の真ん中に小学生位の子供が居る。
寝てる俺の顔を見つめたまま瞬きもせずピクリとも動かない。

最初俺の足元に立ってたのが、ゆっくり振り返ってテーブルの上に置いてある帽子を見下ろす。
次の瞬間、子供の顔だけが目の前に飛んできて、腹から絞り出すような声で「ア・ア・ア・ア(聞き取れない)」

もう一瞬で目が覚めて起き上がり電気を付けたら、横でTもハァハァ息切らしながら上半身起こしてんの。
目だけでTに「見た?」って聞いたら真っ青な顔で「うん、うん」って。
電気付けたまま、2人とも暫くボーッとしてた。
なるべく帽子の方を見ずに朝まで過ごして、少し空が明るくなったところで俺の車であの家に向かった。

運転してる最中、緊張しまくりで、制限速度よりも遅いスピードで進んだ。

昼間に改めて来ると家そのモノはそこまで迫力ある様に見えなかった。
それでも流石に家の中に入る気は起きず、以前入った窓から中に帽子を投げ入れた。
縁側の上に、来る途中で買って来たお菓子とジュースを供えて、手を合わた後、
2人して腹から声を出して「すいませんでしたーーーー!」と思いきり頭を下げた。


この後はTも俺も夢を見ることも事故も無く、今に至ります。
以上。長々とここまで読んでくれた方、感謝。



937:
本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 02:45:27.69 ID:FaztG0JZO
>>933
面白かったー



938:
本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 04:14:21.34 ID:3cwFP2I0i
>>933
読みいった。面白かったよ



953:
本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 07:50:48.60 ID:obgcLq7H0
>>933
長いのにスラスラ内容が頭に入ってきて読みやすかったし怖かった!



584 :サナトリウム1:2008/08/02(土) 03:14:08 ID:TmKiEHv40
サナトリウム
まあこの話は、何年か前の夏休みに、外国の友達のAの所に遊びに行った時の話。

多分話の始まりは、『日本のお化け屋敷』だったと思う。
Aはジェイソンとかドラキュラみたいな『パニックホラー』が好みで、
「日本のホラーハウスは静かでつまらなさそう」って話から、
「日本では廃墟とか心霊スポットとかに行って、そういう空気を楽しむんだ」と俺。

「じゃあ、そういう心霊スポットに行こうぜ!」という話になって、
Aの友達のBと車に乗って、往復4時間ほどの山の中の『治療所』に向かった。

どうやらその土地は、近くで牧場をやっているBの親戚が管理しているらしく、「狼やコヨーテが出る」という話で、
違うんだよ!日本の廃墟は人も動物もいない静かな怖さが風情なんだよ!馬鹿!と思ったのを覚えている。

道中、車内から鹿?やよく分からない何かの死体が見え、
目的地に近づくにつれ、喰い荒らされた死体が増えていった。
そして目的地につくと、本当に静かで、ここで治療生活を送れるなら悪くないな、と思っていたが、
半分腐った木のドアには『(地名)精神病院』と英語で書かれていたため、
・人里離れた山奥に『隔離』されている理由。
・おそらく音に敏感な患者もいただろうから、静けさの理由が分かった。


585 :サナトリウム2:2008/08/02(土) 03:34:09 ID:TmKiEHv40
Aはドアの前で「いいな?これはミッションだ!」と言いながら、
バックからご丁寧にお手製?の消音装置の付いたハンドガンを取り出して、南京錠にぶっぱなした。
錆びていたせいもあってか、南京錠はぐねっと曲がり、AとBの体当たりで地面に落ちた。

先にAが、スパイよろしく銃を構えながら中に入る。
まだ昼だったこともあり、薄暗いだけのエントランスホールはほぼ原型のままで、
掲示板に貼られたお知らせや、カウンターの紙コップとポットまでそのままだった。

俺は掲示板の、一番手前側の一枚を読んだ。
『新院へ移動のお知らせ』で、『施設の老朽化や一部の倒壊により移動がある』と書いてあり、
日付は1988 8/21だった。

次は『C棟15号室の○○さん死亡のお知らせ』で日付は1988 8/18。
以下5枚が5名死亡のお知らせで、間に2枚『講師変更のお知らせ』で、
あと2枚がC棟での死亡者2名のお知らせ、日付は1988 8/6だった。

全部読んでから気が付いた。
ここは『精神病院』で、こんなに立て続けに死者が出るはずがない。
すぐにカウンターを漁っていたABにこの事を報告したが、「そいつはいい!やる気が出る!」という返事だった。


586 :サナトリウム3:2008/08/02(土) 03:48:56 ID:TmKiEHv40
1階の病室、診察室を回ってみるも、多くの残留物を発見するも特に異変は無し。
切り裂かれた人形や、ぼろぼろになったベッドがあったが、埃まみれで、当時の患者の犯行らしかった。
Aは地下に降りる道を探していたが、階段は1つ崩れていて進行不可。
もう1つは降りた先の扉が開かなかったため、しょうがなく2階に行った。

2階は遊戯室や図書室があるくらいで、病室は無い。
が、『C棟→』という標識を見つけ、みんな矢印の指すままに階段を降りた。

どうやら隔離病棟らしい。
鉄の防火扉チックな門にかんぬきがかけられ、さらに南京錠まであった。
Aは南京錠に鉛弾をぶちこんだ。
なかなかしぶとかったが、結局南京錠が負けた。

中はさらに4つの小部屋への扉があり、一つ一つ鍵とかんぬきが外側にかけてあった。
一番左を開けると、一面黒っぽい部屋に、簡素なイスとベットがあった。
良く見ると、イスの下やベッドの後ろは白かった。
2つ目3つ目もそんなんだった。
1つ目から3つ目の戸にかんぬきをかけ、4つ目を開けた。


589 :サナトリウム4:2008/08/02(土) 04:08:41 ID:TmKiEHv40
4つ目はまた異様な部屋だった。
床には何かベットの綿らしきものが散乱し、四方の壁にはマットが付けられ、
壁のマットはほじくられ、コンクリートが所々露出していた。

バタン、という音がし、3人とも飛び上がった。
俺とBの視線は、ベッドの上に釘付けになった。
ビダン!バダン!ビダン!ビダン!と、魚のようにベッドの上の何かが跳ねまくる。
俺は声を出してはいけないと口を噤んだが、Bは「ひぇ…」と声を漏らした。

途端にそれがバン!と起き上がった。
両手の無いらしき人っぽい何か。
坊主頭で、目の位置にはアップリケが縫いつけられていた。
俺はAとBの手を引いて部屋から駆け出た。
ソイツはよたよたとこっちへ歩いてきていたが、俺はバン!とドアを締めかんぬきをかけた。

ゴン!ゴン!ゴン!とドアに何かをぶつける音がした。
Bは泣き出しそうだった。
俺は上への階段にBとAを引きずりだし、またかんぬきをかけた。

それからは車まで無言だった。
Aはむすっとしてるし、Bは泣いていた。

車に帰るとAが、
「チキンが。Bはともかく情けねぇな。せっかく地下への階段を見つけたのに、そこのドアが動いてたぐらいでビビって」
俺とBは、あの部屋にはドアも階段も無かったと言えなかった。



109本当にあった怖い名無し:2008/06/08(日) 10:57:27 ID:nKcBN+8r0
婆ちゃんの最後の挨拶
4年位前の話。

俺が高2のとき、婆ちゃんが死んだ。
脳溢血っていうので一回倒れて、そのまま病院から帰ってこなかった。
お通夜では俺が別れの言葉を言わせてもらったんだけど、
せっかく寝ないで考えた原稿も、しゃくりあげて結局上手く言えなかったのが、凄い心残りだった。

それで、その日の夜は、俺の親父が蝋燭番(?)をしなきゃいけない日だったんだけど、
親父は次の日の準備とか、病院の片付けとかをやらなきゃいけなかったらしくて、
親戚もそこまで気が回らなかったのか代役を立てずに、蝋燭番なしでその夜を過ごしたんだ。
でもまぁ実際、蝋燭の火が消えるか消えないかでそんな大事にはならないし、
夜通し起きている人もいるので、火事の心配はないだろうと言うことだった。

次の日、その日は葬式だったから朝から大忙しだった。
母ちゃんとか女の人たちはみんなで料理を作ってるし、俺は親戚の子供をまとめて監視する役だった。

葬儀事態は何の滞りもなく終わって、参列者の方たちに帰ってもらったあとは、みんなで飯を食った。
でも俺だけはどうしても食欲がなくて、家族たちが居間で夕食をとっている間、
ずっと婆ちゃんの棺桶の横で泣いてた。
寝てるみたいに見えたのに、触ってみたら凄い冷たかった。
そりゃそうだ。ドライアイスで冷やしてんだもんね。あれ。

結局その日は飯を食わないで、そのまま仏間に一番近い部屋で一人で寝た。
婆ちゃんの家は古いけど大きな家で、家の前には小さいけれど紅葉とか松とかが生えてる庭もあった。
俺はその部屋で縁側を頭の方にして眠ることにした。

とは言っても結局俺は寝つけずに、何度も寝返りを打っているうちに夜も過ぎて、柱時計が3回音を立てて鳴った。
寝よう、寝なきゃ。そう思って無理に目を閉じると、なんだか変な音がする気がした。


110本当にあった怖い名無し2008/06/08(日) 10:58:09 ID:nKcBN+8r0
はじめは気のせいかと思ったが、音はだんだん大きくなっていった。足音だった。
窓の外で砂利がざくざく踏みしめられる音がして、それがずっと頭の上のほうを右から左へ、行ったり来たりしてる。
その内「ちりんちりん」とか、小さい鈴を転がすみたいな音もしてきて、
俺は『ああ、婆ちゃんが最後に会いに来てくれたんだ』って思った。

俺は親族中の誰よりも婆ちゃん子だったし、病院にもしょっちゅう会いに行ってた。
でも、「彼女出来たか?」とか、「勉強どうだ?」とか、「友達とうまくやってるのか?」とか、
色々心配されても、病気で寝てる婆ちゃんを心配させたくなかったから、俺は嘘を付いてごまかしてた。

彼女なんて出来たこともないのに、女友達とデートに行ったとか、友達と釣りに行ったとか。
そしたら婆ちゃん、おんなじ病室のじじいとかばばあにすごい嬉しそうに話すの。
「孫にもついに彼女が出来た。きっと美人だ。孫は小さいころから気が小さかったけど、優しい子だったから」って。

婆ちゃんは俺の嘘がほんとかどうか分かる前に、そのまま病院で死んじゃったから、
婆ちゃんの中で、俺がどうしようもない孫にならなくて良かったってのと、
結局最後まで本当の事は言えなかったっていう罪悪感で、なんだか複雑な感じだった。
そんな俺を、婆ちゃんは死んでからもまだ心配で、こうやってお別れを言いに来てくれたのかなって思うと、
なんだか嬉しくて情けなくて、俺は布団を被って婆ちゃんにばれないようにまた泣いた。

すると、窓の外のざくざくが止まった。鈴の音も。
俺は婆ちゃんが天国に行ったのかと思って、布団から顔を上げようとした瞬間、
耳のすぐそばでちりんと鈴がなった。

婆ちゃんは、しばらくすり足で俺の枕の上をうろうろしていた。
俺にどうしても言いたいことがあったんだろうか。
だったら俺も言いたかった。騙してごめんって。でももう心配しなくていいって。
俺はもう大丈夫だよって、最後に安心させてあげたかった。
だからそのまま布団の中で、「婆ちゃん…」て、婆ちゃんごめんなって言おうとした。


111本当にあった怖い名無し2008/06/08(日) 10:59:25 ID:nKcBN+8r0
声を出した瞬間、婆ちゃんが布団に手を突っ込んで、すごい力で俺の髪をわし掴みにした。
そいつは、無理やり俺の頭を外に引きずり出そうと引っ張ってきて、
必死で両手で布団にしがみ付くと、髪がぶちぶち音を立てて抜けてった。

あ、こいつ婆ちゃんじゃねぇなって思った時には、もう怖くて声なんかでなくなった。
怖すぎて、引きずり出されたら死ぬと思った。
怖くてずっと目を瞑ってたんだけど、上に被ってた布団が「ばさ」って転げたのにびびって目を開けてしまった。

やけに肌のがさがさした、全身かさぶたかうろこみたいな人間が、俺の顔を覗き込んでた。
心臓が止まるかと思って、俺は絶叫したつもりだったんだけど、上手く息が出来なくて、
「あっが、がふぁっ…」って訳の分からない声を出して、めちゃめちゃに腕を振り回して婆ちゃんの仏間に逃げた。

そのまま朝まで、婆ちゃんの棺桶と壁との隙間に入って、ずっと開けっ放しにした襖を見てた。
いつさっきのが入ってくるか分からなくて、死ぬほど怖かった。もしかして寝てたのかもしれない。
朝になって母ちゃんが起きてくる音がしたんで、部屋に戻って見たらそいつはいなかった。
正直夢かもしれないって、自分でも思ってた。
ここでも気がついたら朝だった~系は、全部夢だって言われてんの見たことあるし。
でもそうじゃなかったんだよ。


112本当にあった怖い名無し2008/06/08(日) 10:59:52 ID:nKcBN+8r0
火葬が終わって、墓入れとか納骨が済んだあと、暫くしてから婆ちゃんの仏壇拝みに行ったらなんかいるんだよね。
俺今まで生きてきて、お化けとか幽霊とかそんなの一切見たことないし、気配すら感じた事がなかったから、
あのがさがさ野郎が一体何なのかわかんないんだけどさ、
そいつ婆ちゃんの仏壇の横、俺がそいつから逃げたときにいた場所に、
俺の真似するみたいにして、全く同じ格好で座ってた。

相変わらずがさがさの皮膚。目とか鼻とか口とかもよくわかんない。脱皮直前の蛇みたいなうろこ人間。
気持ち悪かった。そいつはなんにもしないで(多分)ずっとこっちを見てるし。
母ちゃんなんて、普通にそいつの隣で仏壇拝んでるし。
婆ちゃんなんていないんだよね。うちの仏壇にいるのはがさがさだけ。
俺怖くて、結局仏壇拝めなかったよ。

これって、俺が婆ちゃん死んだショックで頭がおかしくなっちゃったのかな?
どうせおかしくなるなら、俺は婆ちゃんの幽霊が見たかったよ。
しかし、こんな事家族に言っても信じてもらえないしさぁ。うちはとんでもないもの仏壇に囲っちゃったよ。



955: 本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 08:26:06.00 ID:Pp7oc0TsO
湯呑み
趣味で写真を撮ってます、主に風景ばかりで休みが取れた時は
結構各地回ってるんですが、その中で宿泊した民宿でした体験です。


その日、九州の方に行っていたんですが、天候が悪くあまり良い写真も撮れず、夕方には民宿に戻っていました。
民宿の方はとてもいい人で持て成しも良くて大変満足してました。

夕食を頂き、部屋でビール片手に裏庭から広がる景色を眺めていました。
(夜には天候は良くなってました)


すると後ろから「スッ」と障子が開く音がして振り向くと、
誰もいなく障子が開いていて、お盆に湯呑みが置いてあるだけでした。

ノックや声をかけて等無かったのが不思議でしたが、民宿の方の気遣いと思い、
湯呑みを手にとるとお茶ではなく、ただお湯が入っているだけでした。



956: 本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 08:28:12.64 ID:Pp7oc0TsO
不思議に思いましたが、気にせず、湯呑みのお湯を飲み干し、お風呂に入りに行きました。
外と中両方にお風呂があり、どうせならと外の檜風呂で風景を見ながらゆったりしてると、
またも後ろから「コトッ」って何か置く音がし、振り向くとまたも誰もいなくお盆に湯呑みが置いてあるだけでした。


やはり湯呑みの中身はただのお湯でした。
民宿のサービスにしては何か珍しいなと思っていました。
水が自慢とかそんなの聞いた事なんて無いし、腑に落ちない点はありましたが気遣いは気遣い、
郷に入っては郷に従えと気にせず、湯呑みのお湯を飲み干しお風呂を後にしました。



958: 本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 08:31:26.51 ID:Pp7oc0TsO
次の日が早かった私は早くに床につきました。
夜中にトイレに目を覚ました私は寝ぼけ眼を擦りながら障子を開けようとした時、
足に何か当たり、当たった物が倒れました。


湯呑みでした、しかも一つだけではなく、並べられたように床に10以上は無造作に置かれていました。
流石にこれは普通では無いと、気味が悪くなりトイレに行くのを止め、
布団に包まってましたが、何かを置くような音が止むことはありませんでした。

朝、明るくなると同時に布団から出て、障子の方を見ると湯呑みは明らかに数を増していました。

朝一で民宿を経営してる夫婦に湯呑みの件を問いただした所、夫婦はこう話してくれました。


959: 本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 08:34:01.19 ID:Pp7oc0TsO
夫婦には一人息子がいたらしいのですが、そのお子さんを去年亡くしたらしいのです。
少し障害を持ってたらしく、民宿の手伝いを出来るような感じでは無かったようですが、
とても心優しかったお子さんは手伝いたいと言ってお茶くみをしていたらしいです。


ですが障害があり、お茶葉を入れ忘れる事も多々あり時々お客様からクレームもきてたようで、
それを聞いたお子さんは親が怒られたと手伝いを止めてしまいましたその後に事は起きたようでした。


する事無くフラフラしてお子さん裏庭の先の崖から転落してしまったです。
直ぐ病院に運ばれましたが、全身を強く打っており、そのまま息を引き取ったようでした。
最後に喋れる状態ではないお子さんが、夫婦にこう言っていたと聞きました。
「ごめんね、僕何も出来なくて、ごめんね」と

夫婦は「息子が今も家に居て、手伝ってくれてるのかもしれませんね」と語ってくました。


960: 本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 08:35:44.72 ID:Pp7oc0TsO
私はお仏壇に向かい「お茶美味しかったよ、ありがとうね」と言い、民宿を後にしました。

その後何も無く私にとっては生涯でただ一度であろう、洒落にならない程に怖く、悲しい体験でした。

駄文でしたが、見て下さった皆様ありがとうございます。



962:
本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 09:48:49.54 ID:XlYiZPZo0
そんなに怖くないと思ったのに、なぜかゾワッとした。
そしてあなたの優しさに泣いた…




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